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本田凛33 ページ12

久々のカナミとのランク戦。


少女は無表情ながら自分が何時も使っているルームに入る


 :…凛。時間、あるよな…?

筈だったのだが。


▽△▽△▽△▽△▽



春に近づいていく季節の暖かな風。


少し暗くなり、赤みがかった廊下。


其処には差ができた長い影が2つ。


持ち主しかいなかった。


凛:…話って、何?


この言葉は彼-忍田直史-に向けられた。



忍田:…お前には、悪い事をしてしまったと思っている。


凛:……ねぇ、何もしてないのに、何故謝る…?


忍田:…これを言ったら、お前は悲しむか…?泣くか…??怒るか…??


忍田は凛の手を両手で包み込む。


凛:な、何して−−−。


その瞬間、凛は言葉を失った。


凛:こ…れ………。


忍田:信じられないか?…お前が学校のリュックにつけているヤツと同じだなんて。


そんな筈ない。


でも、確かに、昔、誰かに『お揃い』って笑いかけてくれた人がいた。


凛:違う…嘘だ…。忍田サン、シャレになんないよ?これ、まだ売ってたんだね。

凛は少し狂ったかのように乾いた笑いをこぼす。

嘘だ…。


これは全部、全部嘘なんだ…!!


凛:だって…私のお父さんはタヒんだ筈……!!!


私のことを…失敗作って…………!!


失敗作…。
失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗……!!


凛:忍田サンは…っ。忍田サンは失敗作なんて私の事を言わない筈!!第一、苗字が−−((忍田:落ち着け!!凛!!


忍田:…お前は…お前の苗字は『本田』じゃない。『忍田』なんだよ…!!


今、何かが繋がった。


私を苗字で呼ばない理由。


私が小南に誘われて玉狛に入隊しようとしたら否定された理由…。


忍田:…本当は、一緒に暮らしたかった。でも、ボーダーの仕事で家族に迷惑をかけていたから…。お前を、本田家に授けたんだ…。


凛:じゃ…あ…私の…本当の親は…


忍田:…すまない。嵐山が連れてきたとき、驚いたよ…。実の娘が…私の部下なんて…。


凛:…は……ぁ…


身体の奥底から、吐き気と殺意が湧いた。



全部、自分に対してだ。


私は、歩くのがやっとな状況でその場を去った。

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作者名:湯のみと参加して下さっている隊員各員 x他4人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kuga kanoshi/  
作成日時:2015年3月11日 21時

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