前向きな少年 ページ49
＿＿＿＿＿
♪♪
少年は "君も" と言った。ということは＿＿。
「そう言う君もサッカー好きなのかい？」
「決まってんだろ、サッカーは僕の１番大切なものなんだ。けど、僕には…。」
少年は表情を曇らせて俯いた。
その先の言いたいことは、この病院にいると云う時点で野坂にも察しがついた。
「僕の病気、激しい運動をしちゃいけないんだ。たぶん、これからもずっと……。」
恐らくこの少年は、野坂の半分は歳が若い。
身長や容姿を客観的に見れば幼稚園生くらいだが、その幼さで夢を断ち切られた心情は「悲しい」と一言では表せないだろう。
しかし少年は前向きだった。
「だからさ、僕は応援することにした。
今さ、日本のサッカー選手が世界と戦ってるんだ。凄いんだ！外国のでっかくて強いやつらと渡り合っているんだよ！」
「そうか…。」
「辛くて苦しい時も、日本の試合を見ていると元気が湧いてくるんだ。だから、僕は決めた。
サッカーは出来なくても、精一杯応援するって。それで、自分の代わりに夢を叶えて貰うんだって。」
「サッカーが出来なくても、サッカーを近くに感じていられるんだね。」
「うん！でもね、諦めたわけじゃない。勇気を貰って、病気を治すんだよ。
いつか病気を治してサッカーをやるんだ！」
少年の迷いのない意志に、野坂は息を呑んだ。
「(僕は何を考えていたんだ。人よりも力が劣ろうと、僕は走りたかったんじゃないのか。ボールを蹴りたかったんじゃないのか…？
『戦術の皇帝』じゃなくてもいい。僕は、ただサッカーをやっていたいんだ。)」
「……どうしたの？」
「君のお陰で気付いたよ。何をくよくよしていたんだろう。今の僕はね、サッカーそんなに上手くないかもしれない。
でも、僕も君と同じようにサッカーが好きだ。大好きだ。だから、僕もまだサッカーを諦めたくない！」
「うん！」
それから野坂は、「フィールドに戻ってみせる」と云う一心でリハビリを再開した。
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ツナ(プロフ) - 怪盗あーるさん» わぁ、ありがとうございます！最近リアルでやらなきゃいけない事が溜まってるんですけど、更新途絶えないよう頑張ります(笑) (2020年4月27日 0時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗あーる - いつも更新を楽しみにしています。これからも応援しています! (2020年4月26日 21時) (レス) id: 6e9264e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年4月7日 18時
