いずれ地獄でお会いしましょう【へし切長谷部】

永遠の幸せ ページ40

「主、朝ですよ」

そう言い、
私の体を優しく揺らすのは

私の刀…へし切長谷部


『…おはよう』

「おはようございます」

犬のように可愛らしい笑顔を見せる長谷部

この笑顔を見る度に
私は幸せを感じる


「今日の朝餉はうどんですよ」

『またうどん？』

私は長谷部と2人で暮らしている
朝餉は彼が作ってくれるが
いつもうどんだ

それ以外にレパートリーは無いのだろうか

「早く行きましょう。
麺が伸びてしまいます」

私の体を起こし
支える長谷部

『ありがとう』

「全く…貴方ってお人は…
長谷部がいないと
なんもできないんですから」

そんなことないけどな…

軽く支度をし
私達は食卓へ向かう

『そういえば』

「どうしましたか？」

『なんでこの本丸には私達しかいないの？』

ずっと思っていた
なんで長谷部しかいないんだろうって

考えても考えても答えが見つからない


「さぁ…なんででしょうか…
俺にもわかりません」

私の質問に
長谷部は一瞬顔を曇らせた

『そっか』

なにか知っているのだろうか…


「主は今、幸せですか？」

今度は長谷部が質問をする


『うん、幸せだよ』


何当たり前な事を聞いているのだろうか




「そうですか、長谷部も幸せです」




本当にコレは幸せなのか



永遠の幸せの裏には
残酷な過去があったことを


私は知らない

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