【煉獄杏寿郎】全力で救いたい！【トリップ】現代・番外編

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合コン。
それは男女の出会いを目的とした飲み会。

「来る予定だった女の子が一人来れなくなっちゃったああ！代わりに来てえええ！！」
『う、うーむ…』

友達に泣きつかれた。
数回断るが、友達も引く訳にはいかないらしい。隅っこにいるだけねと言って、仕方なくオーケーした。

合コン、かぁ。私は今まで参加したことがない。
私の恋はずっと杏寿郎さんに捧げてるし、無理に他の人を探して付き合うくらいなら一生独り身でもいい思っている。
罪深いぞ、煉獄杏寿郎…！！

そんなこんなで居酒屋に来ました。
隅っこにいるのにずっと話しかけられるのなんとかして。
正直隣の隣にあるケーキ屋さんに行きたい。

「Aちゃんは彼氏いたことあるの？経験人数どれくらい？」
『え、あはは…』

デリカシーがないぞこの人…笑って誤魔化したが、正直辛い。

「お酒は何がいい？」
『あー、いや私お酒はちょっとあれで…ジュースとかでお願いします…』
「飲めないんだ？ジュースか、可愛いね」

馬鹿にしてんのか。いや相手はそんな気ないんだろうけどね。
あぁ、早く帰りたい。始まったばっかだけど。

笑顔は浮かべるようにしてるけど、正直ついていける気がしない。帰りたい。

「みんな今日はいっぱい飲もー！」
「おう！乾杯！」

はぁ…。









.









「桜餅とホールケーキを予約した伊黒なのだが！」
「あ、はい！伊黒様ですね！こちらになります！」

そう言って店員が大量の桜餅と巨大なホールケーキを持ってくる。

六月になり、甘露寺の誕生日がやってきた。
伊黒の代わりにケーキを取りに来たが冨岡を連れてきて正解だった。

中々の量だな！
好物ではあるし、甘露寺なら平らげるだろうが！

「…すごいな」
「うむ、崩さないよう気をつけねばな！」

このケーキ屋はどうやら配送サービスを行なっていないらしく、自分で取りに行かねばならない。
それでも伊黒がここを選んだ理由は、味が良いからだそうだ。より美味いものを、という気持ちはよく分かる。
俺達が綺麗な状態のまま運べば何の問題もない！

「あ」
「よもや」

冨岡が段差で躓いた。転けはしなかったが、箱の中で大きくケーキが歪んだ気がする。

「…まあ、味が良ければ全て良し！善処はするが仕方が無いこともあるだろう！うむ！」
「…ああ…」

冨岡は落ち込んでいる様子だが、そう気にするな。こういうこともある。
甘露寺と伊黒なら許してくれるはずだ。おそらく。…伊黒は少し根に持つかもしれんが。

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