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十四 ページ15

「Aさん…?」

今日は待ちに待った教育実習の日だ。
無事に実習を受け入れてもらったキメツ学園に向かう途中、バッタリと会った少年。

「Aさんですよね…っ!?」
『…炭治郎、くん』
「ああ、よかった、俺、ずっと探しててっ!いや、俺だけじゃなくて、他にもっ」
『お、落ち着いて』

落ち着いて、なんて言ってるが、私ももう泣きそうだ。あの日々は現実だったんだと、知って。

かつて刀を握っていた少年は、平和な日本で高校生をしている。

『覚えててくれてたんですね』
「忘れるわけないです!それに俺のせいで…」
『炭治郎くん、気にしないでください。あれは貴方のせいじゃない」

鬼になった炭治郎を元に戻すために私が死んだ。客観的に見ればそれは確かに事実かもしれないが、炭治郎が気にすることなんて何も無いのだ。

私がやったことのツケが回ってきたようなものだし。言うなれば自業自得だろう。

『私は後悔してませんから』
「っ、ありがとうございます…!ずっと、言いたかった…!!」

炭治郎はとうとう泣いてしまった。
教育実習一日目で生徒を泣かしてしまった。いや寧ろ始まってすらないけど。
学校につくまでには泣き止んでくれた。

「あ、そうだ!煉獄さんもずっとAさんのこと探してましたよ!」
『煉獄さんも…?』
「そりゃもう会えなさ過ぎて、最近Aさんの幻覚が見えるようになったらしいです」
『幻覚!?』

きっと会ったら喜びますよ!と言って、彼は教室へ向かった。とんでもない爆弾発言を残していっていった感はある。

杏寿郎さん、いるんだ。そっか、やばいな、会った瞬間泣く自信しかない。

…私の幻覚見えてるのか…大丈夫かな…。



















「久しぶりだね、A。またこうして会えて私も嬉しい」

挨拶のためノックをして理事長室のドアを開けると、"お館様"が穏やかに微笑んで座っていた。

『お館様…』
「ふふ、今は理事長だよ。前の私の子ども達もこの学園にいる。もう会ったのかな」
『はい、まだ炭治郎くんだけですが…』

そっか、みんないるのか。
鬼と戦っていたみんなが、何気ない日常を送れていることに泣きそうだった。まだ会ってないのにね。

「これは"お館様"としての言葉だよ。
…A、よく頑張ったね。自慢の子だ」
『っ、おやかた、さま…!』
「まだ色々と言いたいことはあるけれど…これ以上は杏寿郎に譲ってあげないとね」

お館様は早く会いに行っておいで、優しく微笑んだ。

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ナキサ(プロフ) - 飛鳥さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございました! (2021年11月22日 19時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - ものすごい大作に出会ってしまいました……ありがとうございますありがとうございます… (2021年11月22日 9時) (レス) id: d3040dc27e (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - あまねさん» 読んでくださりありがとうございます!楽しんで頂けたようでとても嬉しいです。 (2021年11月15日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑、、、待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年11月14日 9時) (レス) @page23 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - meruriさん» コメントありがとうございます!感動していただけれ嬉しいです (2021年10月28日 22時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナキサ | 作成日時:2021年3月5日 14時

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