伍拾参 ページ5
「うおぉぉぉ!!すげぇ、すげぇ、速ぇええ!!」
伊之助が窓から顔を出しながら騒ぐ。
善逸は伊之助が窓から落ちないよう引っ張っていた。
「危険だぞ。いつ鬼が出てくるかわからないんだ」
「嘘でしょ、鬼出るんですかこの汽車!?」
「出る!
短期間のうちにこの汽車で四十人以上の人が行方不明となっている。数名の剣士を送り込んだが全員消息を絶った。
だから柱である俺が来た!」
それにまた善逸は泣き叫んでいる。怖がりだなぁ、寝るとかっこいいのに。
『ところで煉獄さん。この体勢ではいざと言う時煉獄さんがすぐに立ち上がれないと思うのですが』
「心配はいらん。君は俺より反応速度が速いし、いざという時は抱えるから平気だ!」
『何も平気じゃないですね』
はっきり言おう、恥ずかしいから退かせてください!!
善逸にイチャイチャしやがってという目で見られてるんだなこれが!!
「…切符、拝見します…」
ふらふらと車掌さんが歩いてくる。
「なんですか?」
「車掌さんが切符を確認して切り込みを入れてくれるんだ」
…魘夢の術の発動条件だ。
しかたない、眠るか。分かっていて罠にハマるのは少し不安だが。
切符を渡すと車掌さんはパチン、と切込みを入れた。煉獄さんやかまぼこ隊も切符渡す。
瞬間、何か気配がした。
私は立ち上がる。
これは今夢なのか。分かんないな。体に違和感はない。
しかし目の前に鬼の気配が色濃くある。
まだ姿は見えないが。
『夜の呼吸 壱ノ型__』
鬼が姿を見せた、その瞬間にはもう。
ころりと頸は落ちていた。
『寂静の零時』
パァンッ、と背後で鬼の体が弾けた。
「す、すごい、一瞬で…」
「流石だな、A!」
『いえ』
ん?まだ鬼の気配がする。
この車両の私がいるのとは反対側だ。
煉獄さんは刀を抜いた。
「罪なき人に牙を剥こうものならば、この煉獄の赫き炎刀がお前を骨まで焼き尽くす!!」
炎の呼吸 壱ノ型 不知火!!
迫力のある大きな炎で力強く鬼の頸を斬った。
流石なのは煉獄さんの方だよなぁ。強い。
「すげぇや兄貴、姉貴!見事な剣術だぜ!
おいらを弟子にしてくだせぇ!」
「いいとも、立派な剣士にしてやろう!」
「おいらも!」
「おいどんも!」
「はっはっは!みんなまとめて面倒みてやる!」
このノリやっぱおかしくない?炭治郎とかそんなキャラじゃないじゃん?
今は夢?現実?ああわかんないな。
バチ、と灯りが消えた。
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Haruka(プロフ) - 煉獄さん推しなのでとても感動しました。 (2021年9月10日 22時) (レス) id: c2932dcf70 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - 蓬莱寺さん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2021年1月12日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - すみっコぐらし好きの隅華(仮)さん» すみません、中々時間が取れなくて…!!続きを待ってくれているのはとても嬉しいです、ありがとうございます! (2021年1月12日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
蓬莱寺(プロフ) - 続き気になります。更新楽しみにしてます (2021年1月12日 8時) (レス) id: de353d3df7 (このIDを非表示/違反報告)
すみっコぐらし好きの隅華(仮) - 早く更新して下さい!お願いします!m(_ _)m (2021年1月6日 20時) (レス) id: d6919b39a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年12月19日 2時