【煉獄杏寿郎】全力で救いたい！【トリップ】

参 ページ5

「あぁ！！イラつくぜお前、無駄な抵抗ばかりしやがって！！」
『っ！！』

余裕そうな笑みを浮かべていた鬼は、今や苛つきを隠さないでいる。

どれだけ経っただろうか。10分？1時間？感覚がない。分からない。

私をずっと守ってくれていた鞄はボロボロになってしまった。教科書が散乱している。

あと私自身ボロボロである。手足は血だらけ、きっと何箇所か齧られてる。

何より腹を1度爪で刺された。
なんであんな爪長いんだよ。ガングロギャルでもあんな長くねぇぞ。

とにかく痛い。痛いです。死ぬほど痛いです。

けれど、私はなんとか鬼を凌いでいた。


あぁやっぱいざとなると人間死を恐れるものだね！！痛いのは嫌だよ！！


そんな気持ちで鬼を避け続けているが、私はもうほとんど体に力が入らない。

逆になんで私避けれているんだろう。
奇跡だ。運動神経ZEROな人間が俊敏な動きが出来ている。
トリップ特典的な。ううん分からん。

てか眠たい。疲れた。

当たり前でしょうだって今日も授業を7時間＋放課後課外までしてきたんだから！

「いい加減諦めて喰われろ！！」

空高く飛び上がり、そして勢いをつけて襲いかかる鬼。
あぁ、もう足が動かない。無理。意識も朦朧としている。

鬼が迫る。スローモーションのように、それが目に焼き付く。

あーあ、どうせ死ぬならイケメンを目に焼き付けたかったよ。煉獄さんみたいな…。
てか煉獄さん見れてないじゃん！！！！推し！！！！泣いていい！？！？

『あは、死んだ』

もう、鬼の牙が目の前に。
推しよ、来世では会えますように。

そう思った時だった。



＿＿炎の呼吸 壱の型


「不知火！！！！」


目の前が、大きな炎でいっぱいになった。

肆→←弐

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す