弐拾伍 《煉獄視点》 ページ27
「うまい!うまい!うまい!…む?」
日が一番高く上がっている昼間。
任務先で甘味を堪能していた時、鎹烏が飛んできた。足には手紙が括りつけられている。
送り主は誰だろうか。
丁寧に折られた手紙を拡げて目を通した。
“前略 煉獄杏寿郎様
先日、最終選別を合格し、鬼殺隊への入隊が認められました。今は日輪刀が届くまで待っているところです。
育手は冨岡様に紹介していただきました。勧められた通り、私は水の呼吸に近い系統のようです。しかし、派生して違った呼吸を使うようになるかもしれません。
またお会い出来る日を楽しみにしております。
末筆ながら、ご自愛のほどお祈り申し上げます。
草々 AA”
「…よもや!Aか!」
まさかもう最終選別に合格したとは。
なんとも早いものだ。Aには才があると思っていたが…。
とうとう鬼殺隊に入隊したと思うと、めでたいが少し複雑な気持ちだ。
「となると、君はAの鎹烏だな」
そう問えば、ソウデス!と礼儀正しく返事をする。それがどことなくAに似ている気がした。
その烏は俺の烏より小さく若いようだ。
烏達2匹で何やら話し始めたのを横目に、俺はもう1度手紙を見る。
「ふむ」
水の呼吸から派生する可能性があるというあたり、呼吸法に違和感を覚えたのだろう。
Aが最終的にどんな呼吸を扱うのか、気になるところではある。
今度会った時に話でも聞いてみるとしよう!
「にしても…」
手紙に書かれた字は丁寧で綺麗に書かれており、主張の激しくないものだ。しかし、うむ。
「手紙はあまり慣れていないのだろうな!」
手紙の内容も字もなんだかぎこちない。
緊張していたのだろうかと思うとなんとも微笑ましい!愛い!
字を書くのは得意そうだと思っていのだが、逆だったようだ。
だがそういう面を知れたのも嬉しいものだ!
「さて、俺も鍛錬するとしよう!」
Aに情けないところは見せられないからな!
__烏たちの会話__
「オ前ガAノ烏カ!杏寿郎ガ、ヨク気ニシテイル女性ダナ!」
「ソウナンデスカ!Aもソワソワシナガラ不安ソウニ手紙を書イテイタ。キット煉獄サンノコトを気ニシテイマス!」
「ナント両思イデアッタカ!」
2匹は早くも色々察していた。
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蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 5262さん» コメントありがとうございます!励みになります! (2020年12月17日 11時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
5262(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。続きが楽しみです!大変だと思いますが更新頑張ってください、応援してます (2020年12月15日 17時) (レス) id: e1b40e07f2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - コメントありがとうございます!夜はいいですよね! (2020年12月7日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - 夜が好きッ!?私と同じだ… (2020年12月7日 17時) (レス) id: 5a04a92c31 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - yersk0402さん» ありがとうございます!!煉獄さんに会いたいですよね!!更新頑張ります! (2020年12月6日 20時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年11月28日 20時