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「あの、滅…さん。」
なんか呼び捨てにできなくて、しどろもどろにさん呼びする。すると滅は、視線だけをこちらに向けた。
「ここから、逃げたいとは思いませんか?」
そう言った瞬間にA.I.M.S.の隊員がみな私に銃を向ける。
「…貴様に俺を逃がすことの出来る力があるとは思えん。」
「出来ますよ。愛の力…ってやつです。」
私へ向けられた銃口は着実に私の心臓へ近づいている。しかし、そんなもの私には意味が無いのだ。
「__クロックアウト__」
私が呟くと、時が止まった。
そのまま滅の肩に手を置くと、止まっていた滅が動き出した。
「人間にしては妙な力を持っているようだな。」
「生まれついての特殊能力ってやつです。」
下っ端社員ではあるが、一般人ではない。それにこの力のことは誰も知らない。社長の天津垓でさえ。
「さぁ、今のうちに拘束を解きましょう。」
扱ったことのない代物に苦戦しつつ、ようやく滅を自由の身にできた。
「…礼は言わんぞ。」
「構いません。私がやりたくてやったことなので。」
それだけ聞くと滅は隊員たちの横をすり抜けて地下から出ていく。私はそれを、大声で叫んで引き止めた。
「ま、待って!!このあと、あなたはどうするんですか?」
「ふたたび滅亡迅雷.netを集結させ、人類を滅亡させる。それだけだ。」
わかりきっている答えが返ってくる。滅は人類滅亡のために存在しているようなものだし、当然だ。
期待なんか最初からしてない。彼が私を連れてってくれやしないか、そんな淡い幻想は抱くだけ傷が深まる。
「共にくるか?」
「え…。」
「貴様の力、気に入った。我らと共に来い。」
「は、はい…!」
こうして、滅の脱走事件の犯人となった私は、滅に連れられ人類滅亡へのお手伝いをすることになったのだが…。
2ヶ月が経った今。
「滅〜…?私もそろそろ滅のお手伝いを」
「お前は何もしなくていい。俺の隣にいれば、それでいい。」
こんな感じで何もさせてくれない。終いには迅にも「滅、シンギュラリティでも起きた?」と言われる始末。
私の能力が気に入った、なんて言うから、一体どんなことをさせられるのかと思ってたけど…ここに来てからしてることと言えば、滅の膝の上でお菓子食べたり、滅に機械の仕組みを教えてもらったり、滅とお散歩したり…と、なんか平和。
「うーん…複雑な気もするけど…滅と一緒にいられれば、それでいっか。」
キミは万能ヒューマギア?【K/或人】→←〇ココから始まる逃避行【K/滅】
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みかげ(プロフ) - スピカブラックさん» すみません、だいぶ前に書き上げていたのに、公開したつもりになって非公開のままで…お待たせしました!! (2020年6月12日 23時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 瑠花さん» お久しぶりです瑠花さん!!!バーニングな迅さん、難しかったんですけどもうなんか大人にしとけばいいだろうと思って書きました!!(おいこら)いつもコメントしてくれてほんとにありがとうございます!またリクエストしてくださいねーー!! (2020年6月9日 1時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - スピカブラックさん» かしこまりました!しばしお時間いただきます! (2020年6月9日 1時) (レス) id: 042acd99ca (このIDを非表示/違反報告)
瑠花 - みかげさん» お久しぶりですみかげさんー!!!しばらく見れてなかったんですがバーニング迅さん!!!ほんとに初ですかってくらいバーニング迅さんでした!!!!素敵な迅さんをありがとうございます!!体調等色々気をつけてお過ごし下さい…! (2020年6月8日 9時) (レス) id: 8c3e454506 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクで時雨で甘で書いて欲しいです! (2020年6月8日 1時) (レス) id: d87ef36352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかげさん@仮面ライダー | 作成日時:2020年1月2日 11時