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第9話 ページ9





「それじゃあもうひと暴れするか!!」


「は?お前は馬鹿なのか」


崖の上から軍を見下ろしながらそう言う信に、思わずそんな言葉が漏れる。


「お前…軍と戦う気か?」


贏政様も眉をひそめて信を見た。

すると「なんだ、怖いのかよ大王様」と挑発する信。


こいつ…正真正銘の馬鹿だ。

王を挑発する者など見たことがない。


「いいだろう。お前を俺の剣として脇に置いておくだけだ」



「その言い方は気に食わねぇが…しっかりついてこいよ!そこのお前もな!」


信が大声でそう叫びながら私を指さした。

こいついちいちうるさいな。


「贏政様が行くのならば私もついて行く。護衛なのだから当然であろう」


私がそう言うと信は満足気に頷いた。


「よし!行くぞ!!」





「ちょっと待て!!」


走り出そうとした時、後ろから声が聞こえて足を止める。

すぐさま振り返り贏政様の前に立った。


「何だこの生き物は…」


目の前には、茶色く丸い鳥?のような生物がいた。

いや、これは被り物か…?


「お前、さっきの!!」


信はこいつを知っているようだった。

次から次へとよくわからぬ人間が現れるものだ。


「抜け道を知っている。ついてこい」


「そう簡単に信じられるか!!俺はさっきお前のせいで…」


またうるさくなり始めた信を片手で制し、贏政様が口を開く。


「何故俺達を助ける」


「さっき話を聞いた。お前この国の大王様なんだろ?てことは金持ちのはずだ」


「金目当てか」


「悪いか?」


「悪くない。その方が信用できる」


確かに今まで金目当てで近寄ってきた奴らは多少は信用できた。

どちらにせよ贏政様に危害を加えようものなら私が斬れば良いだけ。


「おい!そんなにすぐ信用していいのかよ!こんな顔も名前もわからねぇやつを!」


確かに信の言うことも一理あるが、本当に信用できる奴など元からおらぬ。

とにかく時間が無い。


「顔を見せてくれぬか」


私がそう頼むと、そいつはあっさり顔を見せた。


「河了貂だ。顔も名も明かしたぞ」



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(プロフ) - 初めまして★今更キングダムにハマり初見させて頂きました!更新楽しみにしています! (2022年8月11日 12時) (レス) @page17 id: 8b8beb8b4b (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい! (2020年5月30日 21時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみに待ってます! (2019年12月9日 0時) (レス) id: 7c69be82b3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年7月11日 23時) (レス) id: d46901af11 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます!頑張ります (2019年5月14日 20時) (レス) id: 11eeccd4df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Ria x他1人 | 作成日時:2019年5月5日 16時

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