貴方に助けられたその日から【キングダム】

第17話 ページ17

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私の膝の上に頭を乗せ静かに眠る嬴政様を起こさぬよう、一切動かずに木に寄りかかる。

何度か河了貂に「お前それ休憩になってんのか？」と問われたが嬴政様を起こしてはならないため最初に首を横に振りその後はすべて無視しつづけた。

その結果、河了貂は少し不機嫌になってしまったのだが。



「アホ」


「あたっ 何すんだてめェ！」


「女に背負われる男がどこにいるんだバカ！」


「なっ何だと!?」



「おい、うるさいぞ。これでは嬴政様が…」



いつ起きたのか、目が覚めた信と河了貂が言い争いを始めたため小声でそう叫ぶ。


しかしもう遅かったようで、嬴政様はスッと上体を起こしその場に立ち上がった。

こちらを見下ろし、一言「助かった」と仰られスタスタと歩いていく。



「なんてありがたいお言葉を……お役に立てて何よりです」



私も嬴政様に続き立ち上がろうとすると、一瞬足が重く動かなくなりその場に一度しゃがみこんでしまう。

なんだ、これは。このままでは嬴政様のご迷惑に……



「オイ、別におんぶしてくれとは頼んじゃいないがおかげで完全復活だ。目的地まで連れてってやる」



なんだその上から目線の物言いは。

何故かこちらを向いてそう言い張る信に「断る。剣士たる者がそのような無様な真似をできるか」と答えそそくさと嬴政様に続いた。

幸いにも足が完全に動かないというわけではない。



「んだとてめェ!!」


「あーっははは」


「笑うんじゃねぇチビ！」



ふん。こんなに元気ならば自力で歩かせれば良かった。


重い体を無理矢理動かしながらひたすらに森を駆け抜けるのだった。



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