店長がお呼びです。

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バーテンさんの言葉に、
もう、びっくりを通り越して唖然。


「大倉、お前のが、喋り過ぎてるやんけ」


金髪の彼が、突っ込んでる。


「信ちゃんて、村上店長のことですか？」


そう言えば、
この人たち、村上店長と同じ、みんな関西弁だ。


「そうそう。
村上オーナーんこと」


「オーナー？」


聞き返した時、

その、村上店長本人が、
バーの中へ駆け込んで来た。


「Aっ、お前なあ。
店の休憩室で待っとけ言うといたやないかい」


文句言いながら、
金髪の彼と私の間に、どかっと座る。


「一人で待ってても、
つまんなかったんだもん」


「バーなんて、お前には１０年早いのに、
連れて来てやっとんねんからな。
それを忘れるな」


「１０年経ったら、
もう村上店長より年上じゃん」


「あほか。
お前は子供やから、
１０年遅れじゃ」


「意味分かんない。
自分だって、いつまでたっても、
クレープ上手く焼けないくせに」


「お前、ほんま生意気やな。
大倉、俺ら、奥ん席に移動するわ。
烏龍茶と、
葵ちゃんも来るから、
つまみ、３人分、適当に持って来てくれ」


葵ちゃんの名前呼ぶ時、
村上店長、
心なしか、鼻の下のびてなかった？

いや平常運転の村上店長か？？


こんな、やきもち妬いてるって、
村上店長に知られたら、死にたい。


いや、通り越して、この世から消えたい。


「じゃ、俺もそっちに混ざるわ」


さっきの金髪のお兄さんも、
グラス片手に立ち上がる。


えっ、なんで？


「なんで、ヤスまでひっついて来るねん。
邪魔や」


村上店長って、
なんでこんな正直なの？

でも、ヤスって呼ばれた彼も、
そんなの御構い無しのキラキラの笑顔で。


「信ちゃーん、冷たいって。
なんでそんな酷いこと言うん？」


村上店長の彼女？って疑うような、
甘えた声出して、

勝手についてきた。


私の隣に座って、


「じゃ、Aちゃん。
改めて、乾杯！」


グラス、合わせるふりして、
にこって笑う。


「はい、頂きます」


お酒って、どんな味するんだろうか、

苦いのかな？

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