店長がお呼びです。

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お姉ちゃんも私も、
姉妹そろって、面倒くさい性格なんだな。


入りづらい雰囲気だなあ。


「やから勝手に思われんのはしゃあないやんか。
なあ、由香。機嫌直してくれへん？」


裕義兄さん、
土下座してたかと思ったら。


ソファの上のお姉ちゃんを、
ずるずる自分の方へ引きずり下ろして。


ぎゅうって抱きしめた。


はわわ。


とんでもない場面に出くわしてる。


もう一回、玄関に戻ろうか。

ドア閉める音、聞こえるかな。


「なあ・・・有香？
許してくれるやんな？」


いっつもおちゃらけてるのに。


裕義兄さんが、
甘ったるい、優しい声で囁く。


ぽろぽろ泣き出したお姉ちゃんに、
ゆっくり・・・


ダメ。



慌てて、ドアバタンッて閉めて、
玄関に逆戻り。



しばらくしたら、

裕義兄さんに手をつながれて、
お姉ちゃんが荷物を持って出て来た。


「A、私、家に帰るね。
もう寝てるお母さんにも言っといて」

って。


そこに、ちょうどお父さんが酔っ払って帰宅。


「有香、帰るのか。
良かった良かった」


べろんべろんで言われてもなあ。


「もういいの？」

お姉ちゃんに聞いてみる。


「うん。
不安病に取り憑かれてたけど。
自分の問題だから。
裕は何も悪くないのに・・・
好きになった人だから。
信じなきゃね」


そう言って、帰っちゃった・・・


お父さんがぐらあってもたれかかってくる。


「ちょっと。
酔っ払い！」


騒いでたら、
二階からお母さんも降りて来た。


お母さんはお父さんに一目惚れして。

数いるライバルを蹴散らして結婚したんだって。


今も確かにお父さんはよそのお父さんよりもかっこいいけど、
お母さんに甘えっぱなしでその面影ないなあ。


私は・・・



何をそんなに怖がってたんだろう。

臆病で、傷つくのが怖くて。


情けない。


だから、ずっと彼氏も出来ないままなんだ。


分かってるのに・・・



明日、大倉店長とちゃんと話そう。


好きって言ってくれたこと。


本当？って聞こう。


それから・・・


言えるかな。


私も好きです、って・・・

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