【2】サド教師とツンデレ生徒【名前変換オリジナル】

第九十六話 ページ47

「どんだけ危険なことかテメェならわかってただろうが！その頭は器用なお勉強しかできねぇ飾り物か！？」
「あ、ご、ごめんなさ、」
「テメェは班長やってたんだろうが！？班が危険なことやろうとしてんのに止められねぇ班長ならとっととやめちまえ！そんな奴に委員長なんて立場も任せられねぇよ！！テメェみたいな無責任なやつが誰かをまとめられると思ってんのか！？」
「ご、ごめんなさい、ごめんなさ」
「姉御なんて呼ばれて調子乗ってたのか！？なぁ答えろよ！！どんな甘っちょろい考えしてりゃこんな選択できんだよ！！調子乗ってたにもほどがあるだろ、ふざけんな！！！」
「ごめ、んなさっ……ふ、ごめんなさい……！」

涙が勝手にあふれて止まらない。口からは呪文のように「ごめんなさい」しか出てこない。
怖い。転がり落ちていた時よりも、自分が重症だって気づいた時よりも、痛みに動くことすら満足にできないことに気づいた時も、ひたすら助けを待つことしかできない自分に気づいた時よりも、独りぼっちで何が出るかわからないこの場所で助けを待たなきゃいけないって気づいた時よりも、ただ今目の前で私を怒っている先生が何よりも怖い。
涙を流せば流すほど痛みがどんどんひどくなる。両手を満足に上げることもできなくて、私はひたすらにうつむいてきっと不細工であろう泣き顔を晒さないように頑張っていた。もうこれ以上は先生を失望させたくない。だけどあぁ、きっともう手遅れだ。がっかりさせちゃった。私は、みんなをがっかりさせちゃった。

「っふ――……」

唇をかみしめて嗚咽を我慢する。泣くのは私じゃない。泣く資格なんてない。
そうやってひたすら地面を見つめていると、大きい手のひらが歪んだ視界に入る。そしてその優しいぬくもりが私の頬に触れて、優しい力で私の顔を上げさせる。
そっと視線を先生に合わせると、先生はもう怒ってなんかいなかった。私よりも苦しそうで、私よりも痛そうに顔をしかめていて、今にも泣きそうな先生の顔。こんな顔、初めて見た。

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