【2】サド教師とツンデレ生徒【名前変換オリジナル】

第八十四話 ページ35

そんなわけで空は快晴。私の心は曇天。
先生と自分の分の弁当を遠足仕様にして、もちろん胡桃の弁当も可愛らしく飾る。暁はのり弁だ。肉多めで。

弁当を渡して二人と登校し、途中で別れて千佳と合流する。そして教室に着けば、私は再び教卓に立たなければいけない。最早教師かな？
一日の流れのプリントを笹塚先生に渡され、軽く目を通して頭に叩き込む。始まりのチャイムが鳴ったのを確認すると、私は重い腰と背中を伸ばしクラスメートたちを見回した。あ、やっぱり結構みんなサボってる。

「はい、皆さんおはようございます。 ワクッドキッ虫だらけ！……の遠足です」
「姉御、どうした？」

樹に真面目に心配された。

「姉御は元気です。 とりあえず今日の流れを説明しますね。 今からバスに乗って山のふもとまで行きます。 そしたら各自、先日決めた班に分かれて会長のもっと具体的な説明を聞きます。 そこから三時間オリエンテーション、山の頂点にたどり着いた班から昼食をとってください。 残りの時間は下りのオリエンテーションです。 再び山のふもとにたどり着き、点呼を取って全校生徒がいることを確認したら帰ります。
山の中は比較的一本道で、先生がいろんなところで待機していてオリエンテーションの一貫として問題を出します。 問題を解いた人から先に進めますよ」
「ちなみに俺は下りの中間のあたりで待機してっから頑張れよ」
「そっちの方が女生徒の体力が削がれて対応楽になりそうですもんね」
「俺この学校の校長大好きだわ」

こんな教師が教師でいいんだろうか。

「地図は班長に渡されているので、それに沿って歩いてください。 何かあったら私に連絡するように、みんな私の電話番号持ってますよね？」

こくこく、とそれぞれの頭が縦に動くのを確認して、私はふぅと一息をついた。
これで説明は終わりだ。資料を先生に渡すと、すれ違いのように先生は教卓に着いた。
席に着くとお疲れ様、と千佳に声をかけられたのでお礼を言っておく。

「そんじゃお前ら、いくら高校生の遠足だからってはっちゃけて怪我すんなよ。 各ポイントで俺たちが救急箱もってっけど、無限じゃねぇからな。 水分補給はちゃんとすること」
「せんせー俺ら高校生なんですけど」
「高校生が遠足で熱中症ってなったらお前ら恥ずかしくて外歩けねぇだろ。 俺に感謝しろ」

そんな会話をしていればいつの間にか移動時間で、私たちはバスが待っている校門外までそろって移動した。

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