【2】サド教師とツンデレ生徒【名前変換オリジナル】

第八十三話 ページ34

「皆さま中間考査お疲れ様です、生き残りおめでとうございます。 クラス中赤点回避ということでろくに何もしてない担任の笹塚先生ばかりが教師陣にお褒めの言葉を預かっていて腹立たしい限りです」
「おいコラ何さらっと愚痴ってんだ」

だってみんなが赤点回避したのって私がチェックリストを自ら配ったり、出そうなヤマを張って教えたりしたからじゃん。私の手柄じゃん。先生のじゃないじゃん。
さらりと先生を無視して、私はばんっとボードを叩いた。その上には一枚の紙、多分字が小さいせいで後ろのほうに座っている生徒はそのプリントが何なのか見えないから知らない。
これはですね、

「遠足のお知らせです」

すぐさま教室がブーイングで包まれた。

「中間考査終わりって言ったらなんかパーティとか開けよ！」
「なんか罰ゲームみたーい！」

どこの学校でも中間考査終わったって別にお祝いなんてしないと思うし、多分中間考査とこの遠足はまったくもって関係性がないものだとも思う。
クラスのブーイングが収まるのを待ってから、私は話をつづけた。

「日付は一週間後の金曜日、朝八時に学校で待ち合わせてからのバスでこの学校付近の山のふもとまで行きます。 それからオリエンテーションを交えての山登り、比較的急ではないので斜面はそんなでもなかったと思います。 お弁当持参、おやつは好きにしてください。 水分補給に水筒を忘れずに、オリエンテーリングの各スタンドに給水が設置されています。 各スタンドには先生が待機しており、クエストを出しますのでそれをクリアしたら次のスタンドに行ってください。 時間は大体二から三時間かけて行われます。 終わり次第帰れます。 何か質問は」
「今回は賞品何ですか？」
「ありません」

遊園地チケットのいざこざでかなりクレームを貰ったらしい会長は、今回はなしですと涼しい顔をして告げていた。ちなみに会長とはあれ以来一対一で話してないし寧ろ目も合ってない。ちゃんと謝罪をしたいんだけどな。

「委員長委員長」
「はい、何ですか樹」
「おやつどれくらい持ってけばいいの」
「樹だけ三百円ね」

つまらない冗談を言ってしまった、と私はそっと項垂れる。

「ほかに何か質問は？」
「サボりってオッケー？」
「出席は取りますがまぁ大半の生徒がサボるんじゃないですかね？」
「おいそこの委員長自重しろ」
「委員長だってサボりたい」

笹塚先生のツッコミに無の表情で返す私。
流石に遠足はないと思うの。

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