１１０: 夜と光に覆われる ページ10
「よしよし…良く晴れたな〜」
まだ暗いが人の多い舞台袖から、空を見上げて呟いた。今回のライブは規模が大きいから、スタッフが多い。
モニターの不健康な明かりだけで十分辺りを見回せる。
久し振りすぎて人が少なかったらどうしようかと思っていたけど、見た感じはほぼ満席。一先ず安心、と胸を撫で下ろした。
そろそろ空の赤が消えて、夜が僕らを覆う。零さんが愛する夜の世界で、星の光とサイリウムだけがキラキラ輝く空間になる。
それを想像すると興奮して武者震いがするくらいだ。
宗さんが仕立ててくれた衣装の胸元をぎゅっと握って、再び空を見上げた。
「オリオン…馭者座…ふたご座も見えるかな」
サイリウムが点き始めていて少し明るくなった会場でも、見える星座は見える。
目を瞑って星に祈った。
僕の思いが、誰もに届きますように
誰もが、笑顔になってくれますように
ゆっくりと目を開いて深呼吸する。
ステージに点いていた明かりがパッと消えて、観客席から歓声が上がりサイリウムが一斉に輝きを灯した。
さあ、始まりだ。
ーーーNOside
数日前___
嵐「泉ちゃんに王さま、ここに居たのねェ。ちょっと良いかしら？」
キョロキョロしながら歩いていた嵐が、２人を見つけて駆け寄った。振り向いたレオがパッと笑顔を咲かせる。
月「おぉナル！どうしたどうした？」
嵐「ごめんなさいね、ちょっと泉ちゃんを借りるわよ」
泉「はぁ？ちょっ…」
月「行ってらっしゃ〜い！」
嵐は笑って手を振るレオに手を振り返して、瀬名の腕をグイグイと引いていく。
レオから充分離れた所で、嵐が立ち止まる。
何がしたいんだとでも言いたげにその綺麗な顔を歪めた瀬名に、嵐はゆっくり諭すように口を開いた。
嵐「GALAXYのライブを、王さまに見せたいの」
泉「はぁ！？そんなの許す訳ないでしょ！」
嵐「えぇそうね、アタシだって心配よ。でも泉ちゃんだって気づいてるでしょ？」
泉「何に！」
嵐「このままじゃダメなのよ。気付かないほど馬鹿じゃない筈よね、泉ちゃんは賢いもの」
鋭く目を細めた嵐に、瀬名は言葉を詰まらせる。嵐はそれを見て少し会話のテンポを緩めた。
嵐「これは解決へのきっかけよ。これで『王さま』が何か思い出せば良し、壊れかけても泉ちゃんが助けられる」
嵐はそれで良いでしょ、と言うように微笑みを浮かべる。
瀬名は、返事をせずに俯いたままだった。
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瑠璃烏(プロフ) - 推しが可愛すぎさん» 感動していただけた事に涙ですっ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう、頑張ります！ (2019年11月18日 19時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 如月さん» 閲覧頂きありがとうございます！夏目くんとの関係、エピローグにて書いております(^-^) しばしお待ちを！ (2019年11月18日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
如月 - とてもおもしろかったです！自分的には夏目くんとの関係がみたi ��(ﾟoﾟC=(__:次回作も楽しみにしてます！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: 9471f73ad6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが可愛すぎ(プロフ) - なんか感動と涙しかありませんでした！(あれ同じ？)好きだったので続きとかまだ見たかったですが次回作がんばってください！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: b43a5c5bee (このIDを非表示/違反報告)
黒影(プロフ) - 12月にもう1回ですか……頑張ってくださいね (2019年10月30日 17時) (レス) id: 18284fa39e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年10月19日 1時
