エピローグ１ ページ48
桜の舞い散る様は儚げだ。
咲き誇るのはほんの数日で、舞い散る花弁を堪能したかと思えば地面に踏み固められていく。
卒業というこの時期にぴったりだと、つくづく思う。
「卒業おめでとう、兄さん」
渉「Aきゅ〜んっ！もう嬉し涙で顔が見えません！！」
「あははっw」
学校で、一対一でわざわざ言う事でもないんだけど。でも、１人の先輩としてお祝いしたかった。
僕がGALAXYで成功できたのも、生徒会長に手を出されなかったのも、零さんに導いてもらえたのも、全部兄さんのおかげだから。
ぎゅっと抱きしめ返して、目を閉じた。
渉「おやおや盗み見とは、あなたらしくありませんねぇ？」
「え？」
いきなり笑い混じりに言われるものだから、何事かと顔を上げた。
「夏目っ…」
渉「夏目くんもお祝いに来て下さったのですね！愛しい弟たちに祝ってもらえる事がこんなに嬉しい事だとは☆」
夏「盗み見のつもりはなかったんだけド…卒業おめでとう、渉にいさん」
少し離れた木の陰から、夏目が歩いて来ていた。
気まずくて顔を逸らすと兄さんに肩を抱かれ、夏目と向かい合ったところで離れて行く。
ちゃんと向き合うと、琥珀の瞳がジッと見つめてくる。
夏「渉にいさんに言われたヨ。Aとの関係をスッキリさせる事が卒業祝いで良いっテ」
「そんなっ、そんなの卒業祝いには…」
夏「もちろん卒業祝いになんかしないサ。だからこれは自分から来たんだヨ」
キッと細められた目から逃れようと、少し俯いた。細く、掠れた声を出す。
「どうしたら、良い…？」
夏「知らないヨ…」
突然弱々しくなった声に、顔を上げた。今度は夏目が僕から目を逸らして小さく言う。
夏「何も知らなイ…あの時Aがどんな状況だったのカ、何を背負ってたのカ」
「僕が馬鹿だっただけだよ。夏目を傷つけた事に変わりは無いし」
自嘲気味に笑うと、何かが気に入らないように睨まれた。
夏「…そうやって逃げるかラ、何も変わらないんだヨ」
「逃げてなんか__
夏「弱虫」
そう言われた瞬間、ストンと落ちるように、いつか兄さんに言われた『斜に構える』の意味がわかった気がした。
小さく、笑みを零す。
夏「……なに笑ってるノ」
「ふふっ、分かったよ。喧嘩しよっか」
夏「喧嘩なんかしないヨ。過去の清算ダ」
「僕が喧嘩に持ち込む」
ふざけて言って笑うと、夏目もクスリと笑みを零した。
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瑠璃烏(プロフ) - 推しが可愛すぎさん» 感動していただけた事に涙ですっ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう、頑張ります！ (2019年11月18日 19時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 如月さん» 閲覧頂きありがとうございます！夏目くんとの関係、エピローグにて書いております(^-^) しばしお待ちを！ (2019年11月18日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
如月 - とてもおもしろかったです！自分的には夏目くんとの関係がみたi ��(ﾟoﾟC=(__:次回作も楽しみにしてます！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: 9471f73ad6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが可愛すぎ(プロフ) - なんか感動と涙しかありませんでした！(あれ同じ？)好きだったので続きとかまだ見たかったですが次回作がんばってください！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: b43a5c5bee (このIDを非表示/違反報告)
黒影(プロフ) - 12月にもう1回ですか……頑張ってくださいね (2019年10月30日 17時) (レス) id: 18284fa39e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年10月19日 1時
