１４２: 月 ページ42
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興奮が冷めるには、まだまだ時間が必要らしい。疲れているはずなのに全然眠くはなく、窓際に椅子を寄せて月明かりを頼りに本を読んでいた。
泉さんに知られたら、肌に悪いとか色々言われてしまう時間だというのに。
本を読むだけではつまらなくなってきて、誰かに電話でもしようかと考えて苦笑した。こんな時間に掛けても迷惑だ。
「楽しかった…」
思い出すだけで顔が綻ぶ。
締まりのない顔で満月を眺めていると、突然スマホが震えた。驚いて手に取ると、ますます頬が緩む。
「もしもし。どうかしたの、レオくん？」
月「やっぱり起きてたかっ」
「月を、見てたよ」
月「満月だな〜、綺麗だ…！」
柔らかく、僕らを包み込むような光。レオくんと出会った時、桜の下で感じた、あの感覚と同じ。
言う気は無かったのに、口にしていた。
「レオくんは、僕の月だよ。僕の光。道しるべ」
月「おお、なんだなんだ？愛の告白か！」
「あははっ、大声出さないでね。今、家にいるんでしょ？ルカちゃんが起きちゃうよ」
当然そうだと思っていたから、レオくんの言葉に心底驚いて立ち上がった。
「外ぉ！？嘘でしょ！？補導されちゃうよ！」
月「大声出すなよ〜、近所迷惑だぞ？」
「ちょっ、え！？」
月「Aも来るか？」
「うーん……行きたいけど」
言葉を濁すと「じゃあ来ればいいだろ」と丸め込まれ、結局行くことになってしまった。まあ、行くのはそんなに嫌じゃ無いけど
ため息を吐きつつも内心ワクワクして、簡単な服装に着替えて上着を羽織った。顔を隠す意味も含めてマフラーをぐるぐる巻きにすると、随分と温かい。
渉「どこかへお出掛けですか？」
「ちょっと…月を見に行ってくる」
渉「補導される前に帰ってきてくださいね。行ってらっしゃい」
「行って来ます」
こんな時間に起きていたのは僕だけじゃないんだなぁ、と少し面白くなって家を出た。
外に出ると思ったよりも寒くなかった。レオくん行きつけの公園まで、ゆっくり歩く。今日の月は、街灯が要らない気がするほど明るい。
白い息を吐きながら、公園の中をぐるりと見回した。
それらしき影を見て歩み寄ると、横たわったままうずくまっている。そっと肩を揺すって声をかけた。
「レオくん」
月「うぅぅA〜！寒いよぉ…」
「うわホントだ、すごい冷えてる…っていうか寒がりなのに防寒してないの？」
マフラーを解いて、レオくんに巻きつけた。
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瑠璃烏(プロフ) - 推しが可愛すぎさん» 感動していただけた事に涙ですっ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう、頑張ります！ (2019年11月18日 19時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 如月さん» 閲覧頂きありがとうございます！夏目くんとの関係、エピローグにて書いております(^-^) しばしお待ちを！ (2019年11月18日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
如月 - とてもおもしろかったです！自分的には夏目くんとの関係がみたi ��(ﾟoﾟC=(__:次回作も楽しみにしてます！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: 9471f73ad6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが可愛すぎ(プロフ) - なんか感動と涙しかありませんでした！(あれ同じ？)好きだったので続きとかまだ見たかったですが次回作がんばってください！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: b43a5c5bee (このIDを非表示/違反報告)
黒影(プロフ) - 12月にもう1回ですか……頑張ってくださいね (2019年10月30日 17時) (レス) id: 18284fa39e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年10月19日 1時
