１３３: 名前の由来は ページ33
すっかり寒い冬の昼下がり、噴水脇で兄さんと駄弁っていた。
ふと沈黙が訪れ、徐に口を開く。
「……ねえ兄さん」
渉「はいっ？」
「僕のステージを見て……レオくんは笑ってくれてたのかな？」
渉「笑ってくれなかったのですか？」
質問に質問を返してきた兄さんに苦笑して、噴水の波紋を眺めた。何も言ってこない兄さんといると居心地が良くて、焦る事も怖くなる事もないから楽だ。
少し鳴らそうかと思って持っていたフルートを取り出して、いくつかの音を紡ぐ。
目を閉じて聞いてくれる兄さんの為に、簡単な即興曲を辺りに響かせた。響き渡る音は、きっと学園中に聞こえている事だろう。
渉「あぁ、相変わらず何と美しい音色でしょうねぇ☆我が弟よ、兄は誇らしい気持ちでいっぱいですよ！」
「あははっ、ありがとう。まあ逆に、誇れるものなんて他に無いんだけどさ」
自嘲すると、珍しく兄さんが真面目な顔をする。僕はその目があまり得意じゃなくて、すぐに顔を逸らしてしまった。
渉「……私はあなたを弟に持った事が誇らしいと思っています。誰でも自分の世界に引き込んで笑顔にできるAは、私の誇りですよ。」
「誰でもじゃないよ。レオくんを泣かせちゃったし…これじゃあ何の為に『GALAXY』をつくったのか分からないよねぇ…」
渉「そういえば、何の為につくったのか聞いた覚えがないですねぇ。話して頂けますか？」
いつもの調子に戻った兄さんに頷いて、ゆっくり話し始めた。
「レオくんがね、『Aが笑顔ならおれも笑っていられる』って言ってた事があってさ。僕が笑っているところをレオくんに見せたくて、やってみようかなって」
『GALAXY』の名前は、レオくんのお陰で決まったものだ。
『Aはブラックホールみたいに、謎だしよく分からないけど引き寄せられるやつだ』
そう言ってくれたのを思い出して、ブラックホールよりちょっとかっこよくした『GALAXY』に名前を決めた。覚えているかな、笑ってくれると良いな、と願いを込めて。
渉「そうだったのですねぇ…」
「未練がましいでしょ。でもそれでレオくんを苦しめるなら意味無いからな〜」
その後の兄さんは、終始悲しそうな顔のままだった。
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瑠璃烏(プロフ) - 推しが可愛すぎさん» 感動していただけた事に涙ですっ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう、頑張ります！ (2019年11月18日 19時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 如月さん» 閲覧頂きありがとうございます！夏目くんとの関係、エピローグにて書いております(^-^) しばしお待ちを！ (2019年11月18日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
如月 - とてもおもしろかったです！自分的には夏目くんとの関係がみたi ��(ﾟoﾟC=(__:次回作も楽しみにしてます！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: 9471f73ad6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが可愛すぎ(プロフ) - なんか感動と涙しかありませんでした！(あれ同じ？)好きだったので続きとかまだ見たかったですが次回作がんばってください！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: b43a5c5bee (このIDを非表示/違反報告)
黒影(プロフ) - 12月にもう1回ですか……頑張ってくださいね (2019年10月30日 17時) (レス) id: 18284fa39e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年10月19日 1時
