アイドルと7日間【JM】

アイドルと2日目 ページ10

「先生、僕頑張るね！」


「うん。応援してるね！」




よし、予約はこの子だけだったし直ぐに帰ろう！



「先生、すみません…先程急患で予約が…」



「急患？カルテは？」



「精神科の方から依頼を受けたんですがかなり興奮状態みたいで鎮静剤を打って今は少し落ち着いてるようです」




カルテをある程度見て受けることにした。
あぁ、すぐに帰ると言ったけど帰れなかった。
ジミンさんはご飯食べたかな。私、連絡先も交換してないから遅くなることも伝えられない。今頃また暗い顔に戻ったりしていないかな。




そんなことを考えていれば女の人が1人中に入ってきた。若い人で爪には長く派手なネイルが付いていた。




「あんたも私を閉じ込めようとしてるんでしょ！！！！！」




白衣を着た私を見るなりそう叫ぶ女性。




「そんなこと、思いませんよ。ただ、少しお話を楽しみたいと思っているだけです。貴方の話を聞かせてくださいませんか？」




まだ、近寄るには警戒心が強すぎる。
距離をとってそう聞く。




「話？！そう言っていつもいつも私の話を聞かない！！もううんざり！！！早く離してよ！！！」




遂にはその場で暴れだした。
鎮静剤打ったんじゃないの…？




男性スタッフも出てきて女性を取り押さえる。
でも、きっと今のこの人にそれは逆効果だ。




「離してあげてください！」


「しかしっ……今離したら！」


「大丈夫。離してください」




暴れ狂う女性の腕からスタッフが手を離した瞬間。
女性は私目掛けて走ってくる。



「先生！！！！」


「…っ！！！」



大きく振りかぶった手が私の頬を切った。



「先生、血が！！！」


「大丈夫だから近寄らないで」



女性と目を合わせる。



「そうよ。そうやって私に気持ちをぶつけて。どんな方法でもいい。痛めつけたいなら痛めつけなさい。今は貴方が1番落ち着く方法を優先しましょう」



「なっ……」



「何が不安ですか？ここには貴方を否定する人はいませんよ」




「…私はっ……私は……」

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