昔話 ページ47
.
炭治郎とAは前世(鬼狩りの頃)でも双子の姉弟でした。
竈門家襲撃の日は炭治郎と一緒に炭売りに出ていたので、Aは炭治郎と家族が血の海と化した姿を目の当たりにしています。
そして必ず禰豆子を人間に戻してあげよう、と二人で誓い合います。
それから二人で禰豆子を守りながら成長していき、無惨戦。
Aは無惨の攻撃から炭治郎を身体を張って守り、命を落としました。
炭治郎は愛する姉が自分を庇い、肉片と化す惨い光景を目の当たりにしています。
その時ほどに何かに対して憎悪を抱いたことはないと、後に本人が語っています。
そして鬼のいない平和な今世でまた双子の姉弟として再会した二人。
最初は誰もが鬼狩りの頃の記憶なんて忘れ去っていました。
しかしある日、炭治郎は全てを思い出してしまいます。
前世の記憶がない時からAから片時も離れようとしなかった炭治郎。(恐らく細胞レベルでAを失う恐怖を覚えてしまっているから本能が離れてはいけないと警戒鐘を鳴らしていたと思われる)
思い出してしまったその瞬間からAを再び失う恐怖心に駆られ、依存に近い感情を抱いてしまいます。
思い出した当初は寝ている時間だろうと関係なく三十分に一回程度、Aが生きているかどうかを確かめていた程です。そして生きている…と胸を撫で下ろしひとり涙するほど。
最近では少しずつ克服してきていますが、今でも時々ふと目が醒めてしまうとまず初めにAの生存確認をしています。
よって今のような度を超えたシスコンになってしまったわけです。
本来ならば自分が受けるはずだった攻撃を愛する人が受け、その身体がぐちゃぐちゃになる過程を目の前で見届けた炭治郎。
その恐怖心と憎悪は家族が皆殺しにされ禰豆子が鬼にされてしまった時よりも鮮明で、自分が強ければ失わずに済んでいたとわかっているからこそ、大きいものとなってしまいました。
彼は元から超がつくほどのシスコンでした。それに加え更にAに依存に近い執着心を抱き、何よりも再びAが命を落とすことを恐れてます。
今では大分落ち着いてきましたが、やはり炭治郎の中の恐怖は拭いきれていません。
因みにA以外の人物はみんな前世の記憶があるので、炭治郎の依存に近いシスコンも陰ながら理解されています。
余談ですが無一郎君は前世の頃からAに恋焦がれていました。百年越しの片想いです。
1113人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とく(プロフ) - すごくいいお話でした…。涙が出るほど(笑) (7月19日 12時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
えむえいか - 貴方様は、神ですか? (2022年5月20日 16時) (レス) @page5 id: 6c61bb4c69 (このIDを非表示/違反報告)
孤 - 神作……… (2022年5月9日 15時) (レス) @page44 id: af8576bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - たまに………たまに原作を思い出すような描写があって……目から汗が……… (2021年12月5日 7時) (レス) @page50 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
夏鈴 - 炭治郎のシスコン具合がめっちゃ良かったです‼︎無一郎と有一郎がでて来るとか最高すぎます‼︎とっても良い作品ありがとうございますー! (2021年11月21日 22時) (レス) @page50 id: 378955c846 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白霞 | 作成日時:2020年6月13日 19時