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20話 ページ20

「じゃあ僕が行く。」



突如背後から声が聞こえてAの肩が跳ね上がる。どうやら彼女は不意打ちに弱いらしい。

炭治郎は両手でAを庇うようにして立ちはだかった。



「あ、無一郎君か。」

「ごめんね、驚かせちゃって。」

「可愛いから全然良いよ。」



二人の背後から声を発したのは無一郎だった。

無一郎だと気づいた炭治郎はほっとしたように広げた両手を下ろした。と言うかAに強制的に下ろされた。



無一郎はAと炭治郎に会えてとても嬉しそうである。どうやら将棋部は今日お休みらしい。

そしてその横には有一郎が。
有一郎は相も変わらずAにとんでもねぇ視線を突き刺している。


無一郎に話しかけられただけなのに。
A、完全なる被害者。



「駄目だ無一郎。こんなミジンコ以下な奴と一緒にどこかに行くなんて俺が許さない。」

「有一郎君の辛辣さに私のメンタルズタボロ。」



真顔でメンタルズタボロと言うA、強い。
何なら最強説が出てきた。

僕は好きだよ、と無一郎はさり気なく好感度アップを図る。この兄弟、侮れない。



「有一郎君はミジンコに対する好感度がすこぶる高いんだなぁ。」

「あんたの姉に対する好感度が低いんだよ。」



炭治郎、馬鹿確定。


まともな常識人がいないのか…と呟く有一郎。
私ここにいる誰よりも常識人と挙手するA。

そんなわけないだろう、と冷ややかな視線を送る有一郎。すん、と無視するA。



【悲報】そう言えばみんなちょっとずつまともじゃなかった


























「あ、それで行くこと確定したから。兄さんに止められても死ぬ気で行くから。」

「そんなに玄弥の大会見たいの?」

「休みの日もAに会いたい。」

「何この後輩可愛い。」



Aは素敵な後輩を持てたと一人感激していた。

炭治郎に至ってはいくら無一郎君でもAはやらないからな!と声を上げている。誰も一言もAをくれだなんて言ってないが。



「俺だって無一郎はやらん。」



シスコンとブラコン同士仲がよろしいようで。

バチバチと謎の目での対決が始まった。
因みに審判と観客は無し。


*熱い漢と漢の戦いが今、幕を開いた!








「無一郎君、先帰ってよっか。」

「Aから帰り道デートに誘われるなんて思わなかったよ。」

「今のご時世、一緒に帰ることもデートなのか…」(遠い目)

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とく(プロフ) - すごくいいお話でした…。涙が出るほど(笑) (7月19日 12時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
えむえいか - 貴方様は、神ですか? (2022年5月20日 16時) (レス) @page5 id: 6c61bb4c69 (このIDを非表示/違反報告)
- 神作……… (2022年5月9日 15時) (レス) @page44 id: af8576bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - たまに………たまに原作を思い出すような描写があって……目から汗が……… (2021年12月5日 7時) (レス) @page50 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
夏鈴 - 炭治郎のシスコン具合がめっちゃ良かったです‼︎無一郎と有一郎がでて来るとか最高すぎます‼︎とっても良い作品ありがとうございますー! (2021年11月21日 22時) (レス) @page50 id: 378955c846 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年6月13日 19時

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