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二十一思い込み ページ21

晴愛さんの話によると夜中に突然私とオロチさんが居ないことに泣き始めたそうだ。

その場は信が慰めてくれたから問題は無かったが、朝起きると桜が居なくなっていたらしい。

そして見つからないまま今に至るという。


「何故すぐに連絡しない」


「オロチさん、それはあと。早く見つけなきゃ……」


オロチさんを説得し、今は桜を捜すことを優先にすることにした。


「屋敷内は探したのか」


「う、うん……」


「……だったら外に行ったのかもしれない。私とオロチさんとで行ってみる」


桜を捜しに行こうと背を向けると信が私の足にしがみついてきた。


「一緒に行く……」


「まぁくんは晴愛さんとお留守番してて。もしかしたら戻ってくるかもしれないから……。よぅちゃんが戻ってきても寂しくないように留守番してて欲しいの。これはまぁくんと晴愛さんにしかできないよ。お願い、できる?」


信は口をつぐんで頷くと晴愛さんの足を掴んだ。

私とオロチさんは桜を捜しに急いで飛び出した。

遊びに行ったことのある場所、見通しの悪い道、路地裏、思いつく場所を捜し尽くしても桜は居なかった。

聞き込みをしても何の情報も無く、次第に空は薄暗くなり始めていた。


「……A、一度屋敷に戻ろう」


オロチさんは俯く私の手を割れ物のように握った。

力なく、手はすり抜けだらんと垂れる。


「桜は……大丈夫だと思ってたんだよ。産まれた時から怖いものなんてなくてなんでも興味を示して、私たちが居なくても平気なんだって……。でも、そのせいでこんなことになっちゃった……。見つからなかったらどうしよう……」


視界がじんわりと歪んでいく。


「──私たちの落ち度であることは確かだ。寂しさは誰だって感じるもの。普段どんなに明るく振る舞っていても桜も寂しいと思うことはある。これは忘れてはいけないことだ。……だから、必ず見つけだして抱きしめよう」


オロチさんは私の頬に両手を添えるとにこっと笑った。


「……うん」


オロチさんに連れられ屋敷に戻ると廊下から信が晴愛さんを連れ、こちらへ走ってきた。


「桜居た……こっち」


信は私とオロチさんの手を握って走り出した。

立ち止まったのは私が使っていた部屋の前。


「俺、報告に行ってくるよ……っ」


晴愛さんは慌てて行ってしまった。


「桜ずっとままとぱぱ待ってる……」


信は不安げな顔で見上げた。

私はドアノブに手を伸ばし、ゆっくりと扉を開いた。

二十二 温もり→←二十 同じように



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剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!完結編を投稿したので、よろしくお願いします!! (2019年10月20日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 番外編もすごく素敵でした!!続編楽しみにしてます。頑張ってください! (2019年10月14日 23時) (レス) id: f5a4951e98 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - れるれる(現.本垢)さん» 初めまして!!そう言っていただけてとても嬉しいです!!新作も今書いているので、次回作も読んでくださると嬉しいです!! (2019年9月25日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
れるれる(現.本垢)(プロフ) - 初めまして。この作品、すごく好きです。妖ウォを卒業しても剣城さんの作品だけはずっと見てるんです(笑)これからも更新頑張って下さい。 (2019年9月24日 21時) (レス) id: bb493c8f2f (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - なつさん» 期間が空いてしまったので勘違いさせてしまいました……!!ゆっくりでも完結までは投稿するので安心してください!! (2019年9月24日 18時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年9月23日 0時

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