二百三十三 好奇 ページ33
桜の花びらがさらさらと流れていき、檻の中の妖怪は元の姿で気を失っていた。
「こんなことできるのは桜神だけなはず……」
「ということはこの子が桜神の力を受け継いでいるというの……?」
打って変わった好奇の眼差しはあまり好きではなかった。
「オロチ、手間で悪いがAをここに連れてきてくれるか」
エンマ大王さまの言われるとおり、オロチさんに高台まで運ばれた。
私と滝雨さんは観衆を前に立たされた。
「もう気づいている者がいるとは思うが、ここにいるのは桜神の力の後継者である‼この力を使えば黒魔に対抗できるようになり、更には黒魔にされた者も妖怪に戻せるだろう。この裁判、判決を下すのはここにいる皆だ‼この力と意志をを前にしても異論があるなら前へ出てこい」
ざわついていた観衆は一斉に黙り込んだ。
「異論はなし、か。それでは妖怪に戻った者をどう下す」
誰も、何も答えなかった。
「もし自分の身内、大切な者だったらどうする。黒魔になってしまえば自我なんてものはないそのうえで……」
「……っっ」
なんだか不思議だった。
見えているものがぐんにゃり曲がっていく。
めまいと言うのだろうか。
とてもこのまま立っていられそうになかった。
「姫、力の使い過ぎだよ」
隣に居た滝雨が私の肩を抱き支えた。
それを見ていたオロチさんが高台にあがり、私を抱き上げた。
記憶しているのはそこまでだった。
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剣城京菜(プロフ) - aruya100さん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年2月8日 9時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
aruya100(プロフ) - いつも見させていただいてます。更新頑張ってください!期待してます! (2019年2月4日 23時) (レス) id: b60ccdc28b (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - yukiさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2019年1月30日 19時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
yuki - 作品楽しませていただいてます。続き頑張って下さい! (2019年1月30日 8時) (レス) id: 01053ecf80 (このIDを非表示/違反報告)
紅桜(プロフ) - 剣城京菜さん» 頑張ります...! (2019年1月23日 19時) (レス) id: 84fb339dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2019年1月21日 21時