【募集企画】水面下の魔法戦争物語【募集終了】

【魔法史】 ページ2

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【起源】〜ヨーロッパ編〜
原始、人間は1つの種族であった。髪色、瞳の色、肌の色、違いはあれども、特別な力は持たず理性をもって物事を成し遂げる「人間」であることになんの違いもなかった。人々が文明を築き上げ、ついには文化を作り上げ、学問へ発展していった時、ギリシアのとある哲学者が『摩訶不思議な力』と名付けた力の概念を生み出した。それが今の『魔法』である。その概念は時を経てグレートブリテン島へと渡り、マスター・ドレッジという男の元に届いた。彼は長命であった。50年生きれば長生きと言われる時代に、150年生きた。

そして彼はただの人間というには長すぎる人生の中で、ある言葉を生み出した。『ラディ・チン・ハフ』、そう彼が口にすれば彼の周りの人は倒れた。外傷があるわけでもなく、病を患っていた訳でもない。彼の持つ1本の木の棒からなんとも形容し難い光が出て、その光が人々を貫き、ピクリとも動かなくなる。彼は『悪魔』や『魔術師』などと呼ばれ、恐れられた。そして、彼を真似て『ラディ・チン・ハフ』と唱えるものもいたが、そのほとんどは何も起こらなかった。

しかし、指で数え切れる程ではあるが『ラディ・チン・ハフ』と唱えるとマスター・ドレッジと同じような現象を起こす者がいた。マスター・ドレッジは言った。『私たちは、"摩訶不思議な力"……魔法を使うものである』と。そして、彼は『ラディ・チン・ハフ』を『死の呪文』と名付け、自らを『魔法族の祖』と名乗った。これが魔法と、魔法族の誕生である。


【魔法の発展】
魔法族は文献で確認できる範囲では4族からなっていた。マスター・ドレッジ直系の子孫である『ウィズドレッジ家』、魔法の概念を生み出したギリシア人哲学者直系の子孫である『トゥルーアル家』、そしてイングランドの『ヴァーナイツ家』、北ヨーロッパの『プロティース家』。以上の四家は婚姻関係を結びながら徐々に魔法族と呼ばれる一族を増やしていった。魔法族であることを示すには死の呪文を唱える他なく、何百人もの人々が殺されてきた。

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