オクタヴィネルには、リーチ兄弟以外にも双子がいた。

ゴーストマリッジ ページ17

ゴーストと婚約すること。

それが指すことは、『死者と永遠に連れ添う』こと。

世の理から外れてしまった存在であるゴーストと、永遠を共にするということは、婚約した者がまだ魂ある状態の場合は、魂を引き抜かれ、あの世へと連れていかれるという事。

つまり、今回花婿に選ばれてしまったイデア先輩は、このまま結婚が成立すれば、お亡くなりになってしまう。

しかし、同じボードゲーム部としては、部長の存在が無くなってしまうのは辛い。

イデア先輩が結婚して、魂が引き抜かれてしまったら、一体どなたが私のチェスの相手をするのです？

アズと私では、埒が開きませんし(今のところ引き分け)、他の部員では話にならない。

でも、お助けするかは別です。

みなさんも考え方は同じようで、見事に全員、同じタイミングで拒否した。

何故なら、彼は普段はお部屋から出てこない。
イベント事などは、全てタブレットで参加。

それなのに、『自分がピンチだから助けてくれ』なんて虫が良すぎる。

オルト「……わかった。いいよ、もう。僕1人で大丈夫だもん。」

そう言うと、オルトさんは手を学園の方へ向け、レーザー発射の準備を始めた。

え？まさか………学園ごと壊す気じゃ………！？

それから、学園長がオルトさんによる、シュラウドさんの救出計画を止め、その学園長の脅しもあり、私たちが協力することになった。

なんとずる賢い大人でしょうか。

アズール「あの兄にしてこの弟あり、という感じの陰湿さですね。」

「ええ。というか、学園の不祥事。それ故に、管理責任を問われる学園長がいちばん困るから協力して欲しいということとも取れますね。」

これは、協力せざるを得ない状態ですね……。

「しかし、イデア先輩をどのように救うのです？中はゴーストだらけ。忍び込むのも容易ではありませんよ？」

カリム「まずは腹を割って新婦側と話してみたらどうだ？一席宴でも設けてさ！ちゃんと事情を説明したらイデアを解放してくれるんじゃないかな。」

「素敵なご提案ですが、死んでまで探し求めたつがい。そう簡単には手放せないでしょう。私が花嫁のゴーストとおなじ立場となれば、どんな理由が相手にあっても、私は離しませんよ。」

結婚というのは、男性が思っているより、女性にとっては一大イベント。

それを危惧すれば、話し合うというのは得策ではない。

ならば、どうするのか………。

リリア「ならばサム坊はどうじゃ？」

ゴーストマリッジ→←ゴーストマリッジ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す