『Tresor 』～Cinderella★Dream～ (ページ14)

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★ ページ14

醜く縋った先には何があるのか…

その先にあると思いたい微かな希望は俺を幸せに導いてくれるのか…。

Aが望まないモノは俺もいらないと半ば無理矢理始めたカンケーは案の定、俺とAを苦しめるだけで…。

Aがいらないと頑なに拒むモノは俺が喉から手が出るくらい欲しくって…

その気持ちを見て見ぬフリをする事は想像以上に苦しくて…

一番大事な女をそういう思いで接する事ができない辛さ…

本当は俺がそれを望んでるとわかってるAは罪悪感に苦しめられる。

だけど…

そばにいたい…。

俺がAにとって一番近くの男でいたい…。

それ以上の思いがない俺は、どう足掻こうが結局のところAに醜く縋るしかできないんだ。

・・・側から見たらAはヒドイ女かもしれない。

本当に俺が必要ないなら突っぱねればいいものの、いつも傷ついたような笑顔で俺を受け入れる。

『二番目に愛するなんて一番目がいるからできるんだよな…。』

二人で夜桜の精に惑わされ…

Aの手を引き花見客で賑わう公園の喧騒から抜け出し、俺なりに気を使ったホテルにチェックインした。

それだけの為のホテルを選ばなかった…

選べなかったって事がもうAが俺にとって特別で二番目以降だなんて思えない証明だ。

『うん？』

腕の中に収めるなんてできないカンケーの俺たちは、だだっ広いベッドの上で適当な距離を空け、並んで天井を見上げるだけで…

気を紛らせるようにお互いタバコを燻らせる。

『そういう女なんて俺は作れそうもねぇんだけど？その場合はどうしたらいいんでしょうね？』

『…さぁ？』

『つまりさ？彼女として大事にされたくない。都合のいい女でいいって事…だよな？』

そんなのいちいち聞くまでもなくても答えは出てるのに…

確認する事で現実だと受け入れるしかない状況に敢えて突っ込む俺はバカ以外の何者でもない。

『…そうね…。』

それがAにとって傷つかない選択肢なんだろうけど、俺から言わせてもらえばその目はもう十分すぎるほどに傷ついて何の色もない。

《お前はちゃんと愛されるべき女だよ》なんてセリフをこの場で俺が吐けるわけもない。

そんな目をさせてる俺が言う資格なんてない。

『二宮…？』

『…ん？』

『………ううん…。なんでもないわ…。』

泣きそうな目のAが何を言おうとしてたのか…

俺はこの先、知る事ができるのかな…。