≠友達 [ry] ページ8
Setting = 高校の同級生
(悲恋/バッドエンドです。ご注意下さい!)
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“いい友達”、“ずっと友達”。
時より、屈託のない笑顔でナイフより鋭い言葉を向けてくる。
きみは ひどいひとだ。
…残酷すぎて笑える。
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「今日は沢山飲んでいいよ〜」
「ありがとう〜 りょうも気にしんで飲んでね。」
勿論!といつも通りの素敵な笑顔で笑ってる彼は高校時代の級友だ。
あくまでも、彼にとっては。だが。
長い間片想いしてきたが、この恋が報われることはないだろう。
彼の恋人になれないと悟ったのは在学中の何でもない日で、その時はショックだったし諦めきれなかったけど今となっては気持ちを押し込めるのも随分上手くなった。
好きなままだけどね。
「ねー何食う?」
「え?なに イケメンに見とれて聞いてなかった。」
「それは馬鹿にしとるやん!」
笑いながら怒る彼に ごめんごめんと謝りながらもう一度話を聞いて返事をする。
あーこの飲み会が友達同士じゃなければなあ…。
なんて考えるのもいつもの事だ。
.
「で、最近どうなの?」
個室の居酒屋で枝豆を摘まむだけでも絵になるなんてずるいよなあとか考えながら質問をした。
私たちにとっては定番の質問。
「んー…特になんも変わってないけど、―Aは?」
「私も変わんないよー。」
上司がどうだとか、新人の子が扱いにくくてちょっと困ってるだとか。
そんな些細な愚痴を聞いてもらって、今度はりょうの話を聞いて、ゆるく過ぎる時間に身を任せてお酒を嗜む。
「…彼女さんとは、どうなの、」
「んー?そんな変わらんよ。」
少しだけ痛む胸を押さえるように袖を伸ばしてぎゅっと握りながら口に出す。
いつも触れてる話だから、仕方ないけど聞かざるを得ないんだ。
現に聞いて欲しかったと言わんばかりに幸せそうな笑顔の彼が視界の端に居るから。
「いいねえ、幸せそう」
「幸せだよ。毎日楽しくてしょうがないんだ」
あ、そうだと思い立ったように彼は口に出す。
「結婚しようと思うんだ。」
鈍器で叩かれたみたいな衝撃だ。
でもね。
気付いていたの。
幸せそうに“変わらない”と言ったから。
もうお互い、いい歳だから。
なんとなくだけど。
「、っ、―おめでとう」
口に出すには辛すぎる短い祝辞を捻り出し、そっと涙を流した。
君の恋が上手くいって嬉しいからだと。
君にはそう伝えるよ。
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私の恋心は本物だった。
独りよがりな恋だった。
___ / end
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フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまです。そして続編おめでとうございます。これからも頑張って下さい! (2019年7月3日 15時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - お忙しい中、お返事ありがとうございます!全然大丈夫です…!続編での更新楽しみに待っております…よろしくお願いします! (2019年5月27日 10時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 遊馬さん» 返信ありがとうございます!続編でも構いません!待っています。現在のお話もすごく楽しみにしてます! (2019年5月27日 1時) (レス) id: e2ae3a79dd (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - はじめまして…全て読ませていただきました…すごく癒されました…私もリクエストをお願いしたいのですが、てつやの献身的な彼女のお話が読みたいです。あやふやですみません…虫さんの献身的な彼女のお話が好きなので…これからも応援しております。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - リクエストありがとうございます!!すごくよかったです!!難しくざっくさていたのにありがとうございました。 またよろしくおねがいします! (2019年5月26日 21時) (レス) id: 2cd07c1461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊馬 | 作成日時:2019年4月24日 14時