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久々に二人でいる時間が取れて、他愛もない話をしながら寝たのに…起きたら彼の姿はなかった。“明日はオフ”って言ってたのに…?と疑問を抱きつつ部屋を出る。
「A 出掛けんぞ」
寝起きが悪いでお馴染みのとしみつが、小綺麗なシャツを着て座ってたので吃驚した。
「ひっ!」
「お化けかや」
「ちが…」
あたふたしてると“いいから用意しん”と部屋に戻された。
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ぱっと目に付く所に、ミントグリーンのシャツ。“Happy birthday”というメモが胸元のポケットに刺さってる。
そのタイミングでドアが開き、用意したら降りてきて と言い残し車のキーを取って出て行った。
…待ってそのシャツ、
「お揃いは嫌じゃなかったん!?」
「うっせえ はよ着替えろ!!」
- Toshimitsu ver.
(天邪鬼でも伝わる想い。)
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「A〜ついたよ」
ケラケラと笑うゆめが助手席のドアを開け、眠ってた私を起こしてくれた。慌てて車から降りようとしたその時。
「お手をどうぞ姫〜」
「っ」
何そのキャラ!と思わずツッコみたくなるのに様になっていて顔に熱が集まる。
「何…?」
「ドラマ見て“お姫様扱いされた〜い”って言っとったやん」
「なんで覚え…」
「覚えとるよ」
そういうのは忘れんわ、と軽く叩かれ宙に浮いたままの手を引っ張られた。アフロ可愛い〜とか思ってた昨日までの自分を恨みたい 格好良すぎる。
「てかここ――」
どこ?という言葉に被せるように彼が言う。
「水族館。行きたいって言っとったよね」
誕生日なんだから沢山楽しもう、とゆめが笑った。
- Yumemaru ver.
(私を一番に考えてくれるひと。)
/
チャイムが鳴ったのは約束の時間ぴったり。
「え 待ってたん?」
「待たせたくないしね」
格好良い台詞をサラッと紡がれてきゅんとした。
そんな私の心なんてお構いなしに“こっちおいでん”と手を引っ張っていく。太紀の小さいけど男らしい背中を見て、またもや心臓がきゅんとする。
休みが被らなくても帰る時間がバラバラでも、不安にさせないようにと連絡をくれて、誕生日や記念日はこうやって連れ出してくれる彼が好きだ。
「えへへ」
「…何?いきなり笑うなんてキモいやん」
「一緒に過ごせて幸せなんだもん」
微笑むと太紀がほんのり頬を染めた。珍しいなんて思った瞬間、彼が紡いだ言葉に私が顔を真っ赤にするのは内緒の話。
「僕がずっと傍におって、祝ってあげるよ」
- Mushimegane ver.
(さり気ないプロポーズ。)
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☆ from Asuma→←きみが生まれた日 [all] #anniv.
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フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまです。そして続編おめでとうございます。これからも頑張って下さい! (2019年7月3日 15時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - お忙しい中、お返事ありがとうございます!全然大丈夫です…!続編での更新楽しみに待っております…よろしくお願いします! (2019年5月27日 10時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 遊馬さん» 返信ありがとうございます!続編でも構いません!待っています。現在のお話もすごく楽しみにしてます! (2019年5月27日 1時) (レス) id: e2ae3a79dd (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - はじめまして…全て読ませていただきました…すごく癒されました…私もリクエストをお願いしたいのですが、てつやの献身的な彼女のお話が読みたいです。あやふやですみません…虫さんの献身的な彼女のお話が好きなので…これからも応援しております。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - リクエストありがとうございます!!すごくよかったです!!難しくざっくさていたのにありがとうございました。 またよろしくおねがいします! (2019年5月26日 21時) (レス) id: 2cd07c1461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊馬 | 作成日時:2019年4月24日 14時