きみが生まれた日 [all] #anniv. ページ48
*
ピーンポーン、と0時ぴったりに鳴り響くチャイム。
こんな時間に訪ねてくるなんて誰？ ドアスコープから覗いてみても暗闇しか映らない。
急かすようにもう一度鳴ったので意を決して鍵を外すと、押してもないのに開かれるドア。
うそ、どうしよう。
咄嗟に目を瞑ると香水の甘い香り。…それに釣られて目を開けると、ドアの隙間からオレンジ色の花束とぬいぐるみが差し出されてた。
「……え？」
「誕生日おめでと A」
ドアの向こうから愛しい人の声がする。
そのままドアが開かれててつやが笑いながら近付いてきた。驚きで硬直してる私の手を引っ張って抱き寄せると、私の目から零れる涙を拭ってキスを落とす。
「てつや、っ」
「泣くなよ… 折角来たんだから笑って」
- Tetsuya ver.
(彼はサプライズがお好き。)
/
“明日朝迎え行く”という何とも信用出来ない遅刻魔からのLINE。
今時のJKみたいに“り”と一文字で返信をして、彼が出てる動画を見ながら寝落ちした。
.
ピピピと鳴り響くアラームに顔を顰める。
携帯を確認すると友達からの通知で画面が埋まってた。が、肝心の彼のLINEは入ってない。
「…ゆうすけ、忘れてんのかな」
「なにが？」
突然降ってくる声にビクッと体を震わせて見上げると、渡した合鍵で入ってきたと思われる裕輔がいた。
「な、な」
「まあまあ！」
へらへらと笑ってる裕輔に腕を引っ張られて起こされる。
「ほら、早く用意しん」
「どこ行くの、？」
「沖縄 あ、おめでと誕生日」
脈絡のない発言に、一呼吸置いて出て来たのは叫び声だけだった。
「……沖縄！？」
- Shibayu ver.
(常識外が彼のフィールド。)
/
「おかえり A」
「ただいま りょうくん」
えへへと笑うと私の頭に手が伸びてくる。
大きくてごつごつした手からは想像できないくらい優しく撫でられる。おしまい、と言うように ぽんぽんと撫でつけると、りょうくんは私の手から荷物を抜き取った。
“手ぇ洗っておいで”と私を洗面所に押し込んで荷物を置きに部屋に戻っていくりょうくん。
うーん、何でこうスマートなんだろう。
.
洗面所から戻るとご飯もばっちり用意されてて、テーブルにはお花が飾られていた。
ご飯、デザート、綺麗な花、プレゼント、――そして甘やかしてくれる彼。
「誕生日おめでとうA
これからもよろしくね」
「りょうくんありがとう。もちろん！」
- Ryo ver.
(毎年変わらない愛を、きみに。)
*
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フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまです。そして続編おめでとうございます。これからも頑張って下さい！ (2019年7月3日 15時) (
レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - お忙しい中、お返事ありがとうございます！全然大丈夫です…！続編での更新楽しみに待っております…よろしくお願いします！ (2019年5月27日 10時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 遊馬さん» 返信ありがとうございます！続編でも構いません！待っています。現在のお話もすごく楽しみにしてます！ (2019年5月27日 1時) (レス) id: e2ae3a79dd (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - はじめまして…全て読ませていただきました…すごく癒されました…私もリクエストをお願いしたいのですが、てつやの献身的な彼女のお話が読みたいです。あやふやですみません…虫さんの献身的な彼女のお話が好きなので…これからも応援しております。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - リクエストありがとうございます！！すごくよかったです！！難しくざっくさていたのにありがとうございました。 またよろしくおねがいします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: 2cd07c1461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊馬
| 作成日時：2019年4月24日 14時
