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Tetsuya side
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なんとか気持ちを押し込んで個室に戻ると 大丈夫?と覗き込んでくるAちゃん。
いやそんなに見んで可愛いから…
赤くなる顔に酔いが回ったと判断したのかお開きにする?と声をかけられる。
…もう少し一緒に居たい。
また来るだろうけど東京に居る時間も残り少ない。
「…店変えて、もう少し飲も」
「いいけど てつやくんは平気?」
「へーき平気。」
そうと決まればお財布を出そうとしたAちゃんを止めて、会計をさらっとカードで済ませて店を出る。
お礼だから受け取んないよと言ったら渋々お財布をしまってついて来る。
ちゃっかり手を握って 行こう、と声をかけるとやっと俺を男だと意識したのか顔が赤く染まった気がした。
「…ご馳走様。」
「うん」
そのままいつも行くバーに入ると目新しいものを見るようにきょろきょろとし始めた。
「バーってあんま来ん?」
「うん、あんまり。来てみたいなとは思ってたけど機会なくて」
すごい〜と楽しそうにカウンターに座って店内を見渡す。
子供みたいな一面が見えて、またドキッと心臓が音を立てた気がした。
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お酒に詳しくないと言ってたから飲みやすい甘めのカクテルを注文する。
度数は全然高くないやつ。
酔わせてどうのこうの…みたいなのは嫌だなと考えてる時点で相当惚れ込んでるみたい。
「凄い!綺麗な色〜」
「でしょ、俺これ結構好きなんよね」
青とかカクテルらしい綺麗な色じゃなくて、俺のメンバーカラーであるオレンジ色を選んだのはほんの出来心だから許して欲しい。
他の色持ってんの嫌とか子供かってツッコミも今日はなしで。
話しながら何杯か飲んで結構お互い酔ってきたみたいだ。
解散にしようと声をかけてまた腕を引く。
何となく、もっと意識してほしくて、
バーから出たところで抱き寄せる。
「わ、!なに、てつやくん」
「てつやって呼んで」
頭に大きなはてなを浮かべながら てつや、と呼んでくれる。
だって好きだもんな、止まんない。
「ねえ俺、Aのこと好き。
多分これからもっと好きになる」
「!な、にいって、」
「ね、お願い。今返事しないで。
また遊んで俺の事知ってから返事ちょうだい」
うんと頷いてくれるAを強く抱きしめて数秒。
名残惜しいけどぱっと顔を上げて手を引くと最寄りの駅まで送り届けた。
これから俺と恋してくれますように。
___ / end
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Chance
―― いきなり訪れる恋の好機
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フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまです。そして続編おめでとうございます。これからも頑張って下さい! (2019年7月3日 15時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - お忙しい中、お返事ありがとうございます!全然大丈夫です…!続編での更新楽しみに待っております…よろしくお願いします! (2019年5月27日 10時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 遊馬さん» 返信ありがとうございます!続編でも構いません!待っています。現在のお話もすごく楽しみにしてます! (2019年5月27日 1時) (レス) id: e2ae3a79dd (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - はじめまして…全て読ませていただきました…すごく癒されました…私もリクエストをお願いしたいのですが、てつやの献身的な彼女のお話が読みたいです。あやふやですみません…虫さんの献身的な彼女のお話が好きなので…これからも応援しております。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - リクエストありがとうございます!!すごくよかったです!!難しくざっくさていたのにありがとうございました。 またよろしくおねがいします! (2019年5月26日 21時) (レス) id: 2cd07c1461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊馬 | 作成日時:2019年4月24日 14時