[tty] ページ44
Tetsuya side
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…第一印象は機転の利く子。
だった。
今考えると、暇潰しに東京のど真ん中をりょうとぶらついてたのが運の尽きだった。
(俺ら二人はちょっと目立つ)
気付いてもらえて対応するのは良いけど、流石は都会… 人が引くどころか対応する度増えて俺らの周りはスクランブル交差点のような人集りに。
流石に迷惑になると考えて ごめんね、と謝りながら抜けさせて貰ったが熱狂的なファンがちらほらあとをつけてきているのを感じた。
…そこをなんとか撒いて逃げ込んだカフェで出会ったのがAちゃんだ。
騒々しい音を立てながら入店した俺らを見ていち早く動き始めたのがAちゃんだった。
2,3人いた店員さんやちらほらと見えるお客さんは何事?と言ったように顔をしかめていて、迷惑をかけてしまったと遅ればせながら思った。
後悔して言い訳を考えてる内に、上手い嘘と抜群の機転の利かせ方であれよあれよとバックヤードまで連れて行って匿ってくれたんだ。
「お待たせしました!」
…なんて考えてたら時間みたい。
迎えに行こうと思ってたけど、人目を気にしてくれたAちゃんが店集合にしてくれたからすんなり会えた。
「こっちこそ〜 わざわざ出てきてもらっちゃってごめんね。
お礼しとかないと岡崎帰っちゃったら会いにくくなるからさ」
「お礼なんて…私何もしてないですよ」
ふふ、と笑いながら大丈夫ですと親指を立てる。
会う前に、メッセージを送ってて気づいた事と今日の印象が重なる。
多分普通に気さくで、いい子。
……あと可愛い。
ぱちっと大きい目に緩く巻かれた髪。
服装をとっても正直タイプ…、いや!下心はないけど。
軽く注文して摘まみながら話し始めた。
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色々話してく内に良い感じにお酒が回る。
年齢を聞くと、まさかの同い年だったのでタメにしてもらった。
「いやあ めちゃくちゃ楽しい〜」
「てつやくん酔ってる?」
「少しね」
「へべれけだ。」
くすと笑う顔が、今までの微笑むような作った笑顔じゃなくてドキッとした。
それを隠すようにうるせー!と声を上げる。
ツボに入ったのか けらけらと楽しそうに笑ってるAちゃんを見てなんかめちゃくちゃ好きになっちゃったかもしれない、と頭をよぎる。
やばくね、この歳で一目ぼれってやつ?
いや中身知って惚れたんならただ普通に惚れてるやん。
一回考えようと、ごめんと断ってトイレに逃げ込む。
待て待て
久々すぎる恋に気が動転しそう。
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フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまです。そして続編おめでとうございます。これからも頑張って下さい! (2019年7月3日 15時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - お忙しい中、お返事ありがとうございます!全然大丈夫です…!続編での更新楽しみに待っております…よろしくお願いします! (2019年5月27日 10時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 遊馬さん» 返信ありがとうございます!続編でも構いません!待っています。現在のお話もすごく楽しみにしてます! (2019年5月27日 1時) (レス) id: e2ae3a79dd (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - はじめまして…全て読ませていただきました…すごく癒されました…私もリクエストをお願いしたいのですが、てつやの献身的な彼女のお話が読みたいです。あやふやですみません…虫さんの献身的な彼女のお話が好きなので…これからも応援しております。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - リクエストありがとうございます!!すごくよかったです!!難しくざっくさていたのにありがとうございました。 またよろしくおねがいします! (2019年5月26日 21時) (レス) id: 2cd07c1461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊馬 | 作成日時:2019年4月24日 14時