*NEAR

再会の約束 [msmgn] ページ30

Setting = 教員仲間

(名字は高橋)
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「―あ、高橋先生。おはようございます。」
「―おはようございます。」


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今思うと、目が合うとこちらに笑いかけて挨拶をしてくれる金澤先生が好きだった、んだと思う。
誰も居ない夜の教室でひとり、ぼうっと考えていた。


12月の半ばを少し過ぎた頃。
夜はもう肌寒いというより凍てつく寒さだ。


時計を見ると丁度夜の10時を回ったところで、冬休みの宿題やしおりの作成に没頭していたことに気付く。
そしてこの一息ついた時間に金澤先生の事を考えていた。


もう、会えないのにな。


職員室で会った時金澤先生はいつもと同じように笑っていて、あっさりと 辞めることになりました。と声をかけられた。

噂によるとYouTubeでの活動がバレてしまったから…とのことだが、真面目な先生の新しい一面が見れたようで嬉しかった。


だが現実はそう甘くない。


辞めるというのはもう会えないに同義なのだと、
気付いたのは昼間で そこからスローモーションになる訳でも時が止まる訳でもなく 時間は無情にも過ぎて行ってしまった。


「……あーあ。」


相変わらず恋をしても、行動できないまま終わってしまう。

いくじなし。


机に突っ伏して小さくため息をついた。


「帰んないの？」
「プリントしたら帰りま、――え？」

ぴょこ、と机の下から顔を覗かせる人物に目を瞬かせる。


「金澤先生、…！どうしてここに？」


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