ダーリン [tty] #req. ページ27
Setting = 友達以上恋人未満
(全部通して暗いかも知れません。ハピエンです。てつやがクズ気味です)
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また、
同じ事で傷付いてしまう
親しげに女の子と歩いてるところ。
いつもより数倍甘ったるい声で話してるところ。
私には見せない表情で笑ってるところ。
どれもあなたに恋する私には辛すぎる現実で、熟れた果実をぐちゃぐちゃに掻き混ぜるくらい簡単なことだ。
「…はは、やんなっちゃうな。」
嘲笑に似た笑いが込み上げてくる。
何年片想いを続けていても、夜遊びした次の日眠そうに欠伸を咬み殺す姿は嫌いだし。
こうやって諦め悪く大粒の涙を流す自分にも嫌気がさす。
てっちゃんの家のベランダでひとり泣いてる私と、リビングで楽しそうに談笑するてっちゃん。
近そうで離れてる私たちの距離感だ。
縮まることはない。
.
「で?いつまでそんな辛気臭い顔してるつもり?」
「…、あは、酷いなぁ しばちゃん」
核心をつく言葉に息が詰まる。
てっちゃんが集めただけあって、このグループの人達は優しくて温かいひとばっかだ。
太陽みたいに一人でさんさんと輝く。
でも触れられない。
火傷をしてまで触る度胸が私にはないから。
「何もない訳じゃないけど、言うことはないよ」
「…じゃあ聞き方変える。てつやのこと好きなの?」
「なんで?」
質問を質問で返すとしばちゃんは少し押し黙った。
「…俺ら、を見る時となんか違ったかんじがしたから…かな。」
抑えてたものが溢れ出しそうだった。
全部全部、見透かされてる気がしてこわかった。
腕を引かれてしばちゃんの胸に顔を埋める体勢になる。
なんとなく、このままが良いな。
じわり涙が滲んで 優しく背中を撫でる手にひどく安心感を覚える。
嗚咽を抑えながら初めて誰かの前で泣いた。
.
ガタン、と何かを倒した音がする。
この状況を見たら誤解してしまうかもしれない、流石にメンバーに悪いからと胸元を押して見上げるとてっちゃんが立ってた。
あ、なんだ。
こうやって誤解されて私の恋は終わるんだな
「?あ、てつや!これは」
「いや!いいいい。俺退散すっから!」
眉を下げて私とてっちゃんを交互に見るしばちゃんがだんだん気の毒に見えて、私のことは気にしなくていいよと声をかけて家を飛び出した。
都合のいい女でも、数多いる友達のひとりでも、
離さないでいてくれたら良いのにな。
なんて
.
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フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまです。そして続編おめでとうございます。これからも頑張って下さい! (2019年7月3日 15時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - お忙しい中、お返事ありがとうございます!全然大丈夫です…!続編での更新楽しみに待っております…よろしくお願いします! (2019年5月27日 10時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 遊馬さん» 返信ありがとうございます!続編でも構いません!待っています。現在のお話もすごく楽しみにしてます! (2019年5月27日 1時) (レス) id: e2ae3a79dd (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - はじめまして…全て読ませていただきました…すごく癒されました…私もリクエストをお願いしたいのですが、てつやの献身的な彼女のお話が読みたいです。あやふやですみません…虫さんの献身的な彼女のお話が好きなので…これからも応援しております。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - リクエストありがとうございます!!すごくよかったです!!難しくざっくさていたのにありがとうございました。 またよろしくおねがいします! (2019年5月26日 21時) (レス) id: 2cd07c1461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊馬 | 作成日時:2019年4月24日 14時