*NEAR

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ガチャガチャと鍵を開ける音がして 他の人が来たのかな？なんて呑気に考えてた自分を本当に…本当に殴りたい。

「来客？」
「あーりょうと虫さん買い出し行った」

戻って来たてつやくんに衝撃の事実が告げられもう尋常じゃないくらい心臓が痛い。
ええ…久々に二人きりだよ…。

当の本人は何も気にしていないようで冷蔵庫の中身を漁ってお茶を取り出し飲んでいた。


「へ、へえ〜そっか。」
「……なんか食べ行く？」

若干(じゃなくてめっちゃくちゃ)視線を泳がせながら何となく返事をするとそんな言葉が聞こえてきて私は目を見開く。

「食べ行くの？」
「え？ 作ってくれる？」
「？？てつやくんがそれでいいなら…」

ちょっとずつズレてく会話に二人して目を丸くして、やっとのこと飲み込んだ状況がシュール過ぎて笑う。

緊張しすぎて馬鹿みたいだ。


「てつやくんが良ければ、私作るよ」

「お願いしていい？
家にある食材でなんか作れるかなー」


冷蔵庫を覗き込む隣に近寄って、私もチラチラと覗く。
ひき肉、玉ねぎ、卵…

「ハンバーグは作れるね。適当でいい？」
「勿論だら 楽しみ。」

にっといつもの笑顔を見せてくれるてつやくんにドキドキしながら台所を借りた。


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「美味しかった〜〜ごちそうさま！」

即興のロコモコ丼を食べ終わり 幸せそうな笑顔を見せるてつやくんを見て私も自然と笑顔になる。


…良い雰囲気？
なわけないか。

ふざけた事言ってないで片付けよう〜と席を立つ。

「お粗末さま〜 片付けるね。なんか飲む？」

お茶！と元気な声が返ってきていつも通りの調子が戻ってきた気がする。

お茶をペットボトルのまま持っていくとゲームのセッティングをしてたので邪魔にならないようテーブルに置き、置いとくね〜と声を掛けた。


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片付けを終えた私はてつやくんのお気に入りのオレンジのソファで背中を見詰めたまま寝落ちていた。


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