第140話 息苦しい偽の仮面 ページ47
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村田さんに手を引かれ、会場より離れた小部屋にまで連れてこられた。
「…巻き込んでごめん。
もう会うことはないだろうから、安心して」
会うことはないって…−いや、仮面舞踏会後も会いますけどね。言わないけど。
私は頭を横に振って、気にしてないですよとジェスチャーした。
「…ありがと。このことは、どうかヒミツにしてね」
それだけを言い残し、あの仮面をつけて踵を返した村田さん。私はその場に佇んで、その背中が消えるまで、窓の中から見つめていた。
「(そういえば…)」
さっきのあの部屋にいた白い服装の人、もしかして––緒に踊ってくれてた人かな。
背丈的にも服装的にも、多分その人だと思うけど…。
「(にしても、この仮面舞踏会––
結構わちゃわちゃしすぎじゃない?)」
1日で…たった数時間で、こんなにもトラブルが続くわけ?
「(なんか、ちょっと––嫌だなあ)」
そんなことをぼんやり考えながら、私は身につけていた仮面をそっと外した。
ここなら誰も来ないだろうし。
取った仮面を手に取り、私はシルバーを基調とした仮面と向き合う。
「(…息苦しい。仮面をつけるのって)」
自分の素顔を隠して生きるのって、本当に息が詰まる。この仮面をいつか取れたら良いのに。
今日みたいに、男子制服も仮面も取って––自由になりたい。
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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ!ご指摘ありがとうございます(;´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります!よろしくお願いします!d( ̄  ̄) (2018年12月23日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます!126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています! (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ!よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ! (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2018年5月29日 19時