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第138話 みんなが見る世界 ページ45

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騒ぎも落ち着いた頃、私は外側からきらびやかな世界をぼーっと見つめていた。

きっと、私が踏み込むことのなかった世界。
きっと、私には手が届かないほど遠い世界。

仮面をつけて正装をする、豪華絢爛な舞踏会。
私は、それを漠然と外側から見るので充分だった。

「…疲れるよなあ。あぁいうの」

そう言いながら私の横に座った誰か。声からして、恐らく村田さん。
ふらふら揺れる紅蓮のネクタイが、よく似合っていた。

「媚びへつらったり、おべっか使ったり––
息苦しくないのかな」

私は首を傾げるだけ。そんな私を見て、村田さんは自嘲じみた笑顔を浮かべる。

「ごめんね、何でもない。
…ほら、女の子がこんなところにいたら風邪引くよ。
これ着て中に入りな」

そう言いながら、自分が身につけていたジャケットを私の肩に被せる村田さん。

その言葉を言い残した村田さんは、気だるそうに整った髪の毛をかくと、またあの舞踏会––の中へ入って行った。

「(…たしかに、風邪引くな…)」

私は村田さんが貸してくれたジャケットを肩にかけたまま、とりあえずきらびやかな世界の中へ戻って行った。



「(…なんだろう、振り出しに戻った感じ…)」

結局、私は壁の花を続行。
村田さんのジャケットを肩に羽織って、シャンパンサイダーをゆらゆら揺らしながらぼんやりと遠くを眺めていた。

「…あぁ、ここにいたんだ。ちょっと来てくれる?」

ぼんやりしている私の腕を掴んだのは、さっきまで話をしていた紅蓮のネクタイ−村田さんの姿。
驚く間も無く、私はどこかへ引っ張られて行った。

第139話 半人前の反抗もの→←第137話 ワタシのヒーロー



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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ!ご指摘ありがとうございます(;´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります!よろしくお願いします!d( ̄  ̄) (2018年12月23日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます!126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています! (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ!よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ! (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx  
作成日時:2018年5月29日 19時

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