第137話 ワタシのヒーロー ページ44
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怖い、逸話?
不思議に思いながら、仮面越しから誰かさんの顔を見る。
「…ダンスの最中に––仮面が外れた者は––
不幸に見舞われる」
そう言いながら、相手は私の身につけている仮面を剥ぎ取った。
静かな音楽と歌声の中に響く、甲高い嫌な音。糸を張ったように静まり返り、私––に目を向けられた。
「(顔を見られたらマズイ!)」
慌てて仮面を拾おうとした矢先、ホールの照明が落とされた。
「やだ、なに?」
「電気が落ちたのか?」
女子や男子の雑多な声が、暗いホールに響き渡る。
この暗闇に乗じて逃げ出そうとした際、誰かに優しく腕を掴まれた。
私が声を上げるより早く、その人は私の腕を掴んでホールの外へ駆け出す。私はとりあえず声を上げずに、その人について行った。
*
辿り着いたのは、噴水のある花畑。夜道には、暖かい街灯と月明かりが照らされていた。
「あの…ありがとう、ございます…」
乱れた息を整えつつ、私は、背を向けて立つ男の人に目を向ける。
その人は、顔全てをすっぽり覆い隠せる装飾品のない大きな仮面をつけていた。
その人は、私の腕をそっと話すと静かにその場を立ち去る。ひらりと、体型隠しのマントが翻った。
「(…だれ、だろう?)」
素性を明かすことなく、私の前に突然現れた1人の男性。
名前を聞くことも、後を追いかけることもなく、私はその場にポツンと佇んでいた。
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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ!ご指摘ありがとうございます(;´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります!よろしくお願いします!d( ̄  ̄) (2018年12月23日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます!126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています! (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ!よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ! (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2018年5月29日 19時