第136話 甘い声楽と怖い話 ページ43
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ダンスが終わり、次に聞こえてきたのは豪快なピアノの音色だった。
目を向ければ、そこにいたのは黒にゴールドのラインがあしらわれた仮面を身につけている1人の男子生徒。––素顔を見なくてもわかる、晃一がピアノを弾いていた。
豪快だったピアノの音色が一気に変わり、今度は優しくてロマンチックな音色を奏でる。そのピアノに合わせて、晃一が歌い始めた。
純白王子の方へ視線を戻せば、もうそこにはいない。私は残念に思いながらも、晃一にもう一度目を向けて、彼の歌声に聞き入った。
「あの。踊っていただけませんか?」
やけにイケメンな声が聞こえた。そちらへ振り向けば、グレーの高そうなネクタイを着けている人物がいる。
私は少し迷った挙句、相手の手に自分の手を重ねた。
ぎゅうっと強く握りしめられた手。ほんの少し––怖い。
私たちは、晃一の音色と歌声に合わせて、ゆっくりとダンスを楽しんだ。
「(…なんか、気まずい…)」
でも、今の私は女。無駄に口を開けば、きっとボロを出す。
だから、私は黙ったままダンスに集中していた。
相手のリードに合わせて、私はターンをした。そして引き寄せられ、そのまますっぽりと腕の中へ。
「…ねえ、知ってる?
この学院には、仮面舞踏会にまつわる怖い逸話があるんだ」
私の手を強く握る誰かさん。思わず手を引こうとした。
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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ!ご指摘ありがとうございます(;´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります!よろしくお願いします!d( ̄  ̄) (2018年12月23日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます!126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています! (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ!よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ! (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2018年5月29日 19時