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第133話 冷たい空気と何か ページ40

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「(…すっかり静かになったな、自分の部屋)」

温かいご飯も紅茶の香りも––海さんの笑顔もない。ものすごく寂しい気分になった。

おかえり。と、帰って来ない冷たい家と同じ。

私は、引き出しの奥にしまってある紙を1枚手に取った。

借用書を見れば、両親の借金は1億円にものぼる。正直、私が一生働いたってこんな大金を返すのは難しい。

「(でも––)」

船津さんといれば、この借金を返すことも––間接的だけど海さんのそばにいることもできる。

すごく魅力的なのに、即答できないのはなぜだろうか。むしろ、直前で裏切られるんじゃないだろうか。

船津さんという頼みの綱が切れた時点で、私はどうなってしまうのか。

「(生きていたら––まだ良いよね…)」

緩む視界。私は思わず、皺1つない借用書を握りつぶした。



「…稜雅」

間をたっぷり開けた後、今度ははっきりかつ口調を崩した海。

稜雅は小さく微笑みながら、首を傾げた。

「俺とAさまの弱みを握って、何をする気なんだ?」
「何も? 俺はただ、お前たちの手助けがしたくて」

Aさまが入学して以来、稜雅の様子がおかしい。

「…Aさまの評判を落としたり、手助けしたり––。
はっきり言って、お前の意見を素直に聞くことはできない」

これにもきっと裏がある。––俺はそう確信していた。

「ずいぶんとひどい言い草だなー。Aの評判が落ちたのは、俺のせいじゃない。
海の、監督不行き届きのせいだろ?」

監督不行き届き–
そう言われてしまうと、俺は何も言い返せなくなる。

「俺の提案にYESと答えてくれれば、Aにも海にも不自由はさせないよ」

しばらく考えてみて。と、稜雅は言い残して執事部屋を出た。

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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ!ご指摘ありがとうございます(;´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります!よろしくお願いします!d( ̄  ̄) (2018年12月23日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます!126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています! (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ!よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ! (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx  
作成日時:2018年5月29日 19時

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