第124話 手作りのドレスで ページ31
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「そういえば…Aくんは、仮面舞踏会に誰誘うの？
やっぱり社長令嬢とか…？いや、政治家の娘さんってことも…」
佑亮くんの中で、さっきの話は終わったのか、途端に切り替わった話題。
それは、すっかり忘れていた仮面舞踏会のこと。加えて、誰かをエスコートしなくてはならない事実に、私は目を見開く。
「…すっかり忘れてた…！ところで、誰か誘わなくちゃいけないの？」
「そうだね…。仮面舞踏会は、この学院にとって一種の宣伝パーティーでもあるから…。
原則、誰かをエスコートしなくちゃいけなくて…」
これを聞いて、私はピンと1つのアイディアが浮かんだ。
「…なら、双子の妹をエスコートしようかな。一応、政治家の娘–だし。
家族でも、別に問題ないよね…？」
仮面舞踏会は、私が女の子でいられる唯一の場所。
「私」である必要がなくなったと思ったけど…双子の妹なら、万が一仮面が落ちて素顔が出てしまっても誤魔化せる。
それに、今は海さんもいる。学院のお手伝いで召集がかかる可能性も…。
「うん！大丈夫だよ！むしろ親族を招待する人が多いから！」
明るく話す佑亮くん。私は、その元気な返事を聞いて小さく微笑んだ。
「(…欲を言うなら、海さんにエスコートして欲しかったな…。ドレスを着た私を見て、綺麗って言って欲しかった…)」
今は、私の専属じゃないから–
私のドレス姿なんて、見てもらえないけど。
すっかり空になったジュースのボトルをストローでくるくると回す。氷同士がぶつかって、シャランシャランと、涼しげな音が聞こえた。
＊
佑亮くんと別れたあと、のんびりと花畑の中を探索。
さらさらと水の流れる噴水を見て、少し前にここで練習した社交ダンスが脳裏をよぎる。
息遣い。鼓動。温もり。–全てが鮮明に思い浮かんだ。
「(あの後…村田さんが来たんだよね…)」
スッと呼び戻された現実。
「(…社交ダンスの練習、しなくちゃ)」
私は噴水から足を踏み出し、すっかり暗くなった学院の敷地内を歩き回った。
「(…そう言えば、ドレスどうしようかな。自分で作ろうかな)」
ドレスが無ければ、舞踏会に参加できない。私は駆け足でマルシェに戻り、手芸屋さんを覗いてみることにした。
第125話 増えた苦労と人影→←第123話 うしなった者とは
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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ！ご指摘ありがとうございます(；´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります！よろしくお願いします！d(￣ ￣) (2018年12月23日 1時) (
レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます！126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています！ (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます･:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ！よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ！ (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SORA | 作者ホームページ：https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時：2018年5月29日 19時
