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第105話 突き飛ばす自尊心 ページ12

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迎えた放課後。私は心を躍らせながら、教室を出た。

「(小笠原さん、どこにいるのかな…)」

小笠原さん探しの旅に出た私。
教室を出たあと、まずはホールの方へ向かった。



厳かな印象を受ける大きなホール。初めて来た時も、この大きいホールには驚いた。

ゆったりとした足取りで階段を降りる。

「よう。この間の返事、聞かせてもらおうか」

階段の踊り場に足をつけたのと同時に、男子生徒−の声が聞こえた。ゆっくり後ろを振り返る私。

「俺は、そんなくだらない勝負を受けたくないです」

ポケットに手を入れて私を見下ろす男子生徒の表情が、ピクリと動く。

「へえー。つまり、カンニングを認めるってこと?」

そう言いながら、愉快そうに微笑んだ男子生徒。こつこつと靴音を鳴らしながら、私のいる踊り場まで降りてきた。

「…そういう意味ではありません。ただ、くだらない勝負事には乗りたくない、ってだけです」

思わずたじろいだ私。男子生徒は、また一歩距離を詰める。

「お前さあ…本当に、生意気だよな。草川拓弥みたいで虫唾が走る」

そう言いながら、私の制服の胸ぐらを掴む男子生徒。私は、そんな男子生徒の腕を振り払った。

「でも、草川拓弥って、自主退院したんだろ?ほんと、情けねえよなー。友達もいなかったみたいだし?納得だけど」

その言葉に、私はついカッとなってしまった。

「草川さんは、立派な人です!あなたのように…影で他人をコソコソ言ってバカにするような人じゃない!
それに…俺は、草川さんのことを−友達だと思ってます!
草川さんはあなたと違って、良い好敵手です!」

ホールに反響する私の声。私の声を聞きつけてか、ちらほらと人が集まって来た。

「お前…!」

男子生徒が私の肩を押す。思いのほか男子生徒の力が強くて。

私は他の生徒たちが見守るなか、綺麗に階段から転げ落ちた。
散らばる教科書やプリント。階段の最下層にたどり着いた私は、ずきずきと痛む頭から漏れる血を見て、ゆっくりと意識を失った。

第106話 柔和な表情と口元→←第104話 午後からのヒカリ



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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ!ご指摘ありがとうございます(;´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります!よろしくお願いします!d( ̄  ̄) (2018年12月23日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます!126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています! (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ!よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ! (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx  
作成日時:2018年5月29日 19時

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