story23*社内をめぐる誤解 ページ27
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国木田さんの真意はあまり分からなかったが、取り敢えず優しさを向けられているということだけはこの弱っちい頭でも理解出来た。
というわけで、出社数分で早退します。
「あの…お役に立てなくて申し訳ないのですが、国木田さんに帰れと云われたので、帰ります。」
「………」
私は今、社長室に来ていた。
早退の連絡をする、という社長に会う口実を作れたのはとても嬉しかった。というのは誰にも秘密だ。
依然として険しい表情の社長に、やっぱり意味の無い早退は怒られるのではないか、と心配になる。
でも国木田さんは大丈夫って云ってたし……
すると、今度は社長から、またもや驚愕の言葉を聞くこととなる。
「国木田にお前を早退させるように云ったのは私だ。無論、早退を認めよう。」
「……え!?」
真逆、社長がこの件の…誠に言い方が悪いが首謀者だったなんて。
驚きで固まっている私に、社長はさらに続ける。
「お前と太宰が恋仲だと聞いてな。太宰は普段は不真面目だがあれでも社の要となる者だ。労いの意を持って休みを与えようと思う。」
その時私は理解した。
私と太宰さんが恋仲、っていう誤情報はどうやら社の共通認識になってしまっているらしい。
となれば、諦めも肝心だ。
そもそも太宰さんは私のことが好きで、私も太宰さんのことが好きならいつでも恋仲になることは可能なはず。
そう思い直し、私は社長に頭を下げ、事務所で忙しなくキーボードを叩く社員の皆さんにも頭を下げ、そしてビルを出た。
向かった先は、勿論、太宰さんが待つ社員寮。
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鈴蘭(プロフ) - ウナさん» 私も書いててひえええってなってます笑(?) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - みそしる大臣さん» そんなドキドキをお届けできているなんて嬉しい限りです(^^) (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - SAKA0829093さん» ありがとうございます!ダラダラ更新で本当すみません… (2019年4月30日 12時) (レス) id: 2e99d5c18a (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - もうヤバイですマジでもうヤバイですよ!!!!ひええええってなります(?) (2019年4月3日 19時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
みそしる大臣 - 夢主より僕の方が早くキュン死にしそうだ…心臓が持たない! (2019年3月30日 23時) (レス) id: 487407bef1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年5月25日 1時