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「話、なんだけど」
「…うん」
「私、整備士なりたくて」
「…!」
「中卒だし、このままじゃ資格取れないから、」
いつもとは違う、真剣な顔で私の話を聞いてくれている彼にしっかりと視線を合わせた。
口下手で上手く思いを伝えられない私だけれどどうか届いて。
「高校、行きたい…です」
「…」
「バイト続けながら、近くにあるあの高校に行きたい。翔太が、あそこなら定時制があるって教えてくれた」
「…ばかだねぇお前はほんとに」
困ったように笑って私の頭を撫でる手は大きくてあたたかかった。
「行っていいに決まってるだろ?整備士目指すんだったら専門学校まで行った方がいい」
「え、」
「そっちの方が集中して勉強できるし、実習だってさせてもらえる。Aにとっていい環境だと俺は思うよ」
「でも」
「いろいろ気にすんな。やりたいことがあるのはいいことなんだから、その事考えてればいいの」
「ありが、と。」
「お前は俺にとって大切なひとり娘なんだから、応援するのは当たり前。こっちこそありがとうな。俺の事考えて、遠慮して言えなかったんだろ?」
「…」
「ごめんないろいろ1人で抱え込ませて」
「べつに、そんなことない」
「あーよかった。翔太と一緒にいるから、お付き合い報告かさらにその先かと思って焦っちゃったわ」
「…!?おっちゃん!」
「安心したら腹減ったー。今日は約束してた唐揚げだぞ。昨日の夜しっかり下味つけてるから絶対うまいよ!あ、そうだ翔太も食べてくか?」
「え、俺?」
「…一緒に食べよ。この人の作るご飯、美味しいから」
翔太の服の裾を掴んでそう言ったら少し目を泳がせて、わかったと言って母親に連絡していた。
「じゃあできあがるまで2人で話でもして待っててな」
りんごジュースを2つテーブルに置いて、ご機嫌な彼は鼻歌を歌いながらキッチンでご飯を作り始める。
その光景を見ていたら翔太に名前を呼ばれた。
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涼-suzu-(プロフ) - 白昼夢さん» はじめまして。コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。こちらこそこれからも涼さんの作品を愛してあげてくださいませ( ˶'ᵕ'˶ ) (2023年3月31日 15時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 初めまして!新作待ってました( ; ; )ずっと陰ながら応援させていただいて、、凉さんの作品全部読み漁るほど大好きなんです(´༎ຶོρ༎ຶོ`これからも素晴らしい作品お待ちしてます!頑張ってください!!! (2023年3月31日 0時) (レス) id: 40e11ba78b (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 茉子さん» 泣かせてしまってごめんなさい(´;ω;`)いつも私の作品を読んでくださってありがとうございます。私も大好きです! (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シラユキ。さん» ツンデレとツンデレのコラボ(?)です!幸せにするんで一生ついてきてください(もはやプロポーズ) (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
茉子(プロフ) - 泣いたんですが😭子どもへの気持ち分かるだけに…続きも楽しみです。涼さんの作品全部読んでます☆大好きです😊 (2023年3月28日 18時) (レス) @page24 id: 0c861b61c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2023年3月26日 15時