戻れないから

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結局お開きになるまでずっと私の隣にいた翔太。

お店を出れば今度は私が女性群に囲まれて質問攻め。

翔太と何話してたのかとか、まだ好きなのかとか。

どう答えれば正解なのかわからず苦笑いでかわしていたら二次会で詳しく聞かせてよって両腕をホールドされてしまった。

話すことは何もないのにどうしたもんかと困っていたら後ろから首根っこを掴まれて色気のない声が出る。


「ぐえ、!?」

「わりぃ、こいつ飲みすぎたみたいだから送って帰る」

「えー、じゃあ翔太くんも二次会来ないの?」

「うん。ごめんね。また集まった時話そ」


解放された腕を翔太に掴まれてタクシー乗り場がある所へ歩き出した。


「また助けられた。ありがと」

「別に助けたわけじゃない」

「でもさあ飲みすぎたやつの首根っこ掴むかね普通」

「いいだろ別にそこしか掴むとこなかったんだよ」


久しぶりに2人で並んで歩いて、タクシー乗り場を…通り過ぎた。

え?通り過ぎた?


「翔太?」

「1軒付き合ってよ」

「帰るんじゃなかったの?」

「いいだろ助けてやったんだから付き合えよ」

「…さっき助けたわけじゃないって」

「うるさい」

「はいはい。付き合いますよ」


大人しく翔太についていけばネオンライトが眩しいよく見慣れたお店にやってきた。

『twilight』と書かれたそれはgの部分がチカチカして目が痛い。


「ここ、よく来るの?」

「んー…たまに?」

「そうなんだ…」

「え、なに?」

「いや?なんでもない」

「なんだよ、気になるじゃん」

「…弟が働いてる店だなーって」

「え、は!?お前弟いたっ、け…?」

「うん。一緒には住んでなかったけど、一応」

「…まじか」

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