戻れないから

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「同窓会で再会して、なんか翔太と付き合ってる頃は楽しかったなーって思い出しちゃってさ、翔太にあの頃に戻りたいってポロッと言っちゃったの。そしたら、戻ってみる?って」

「じゃあ付き合ってたんじゃん」

「でもね、好きとかもう1回付き合ってとかそういうこと言われてないし…私も言ってない。つまり宙ぶらりんの関係だったの」

「…」

「この間ね、翔太の職場に行ったら彼女が来て、翔太はもう別れたって言ってたけど、その子はまだ別れてないって言ってて…私ってもしかして都合のいい女だったのかなとか思っちゃってさ」

「それは翔太くんが悪いんだから怒っていいんじゃないの?」

「でも…」

「翔太くんはその…彼女?と別れたつもりだし、姉ちゃんと付き合ってるつもりだと思う。でも、つもり、なんだよ。相手がわかるように言葉で伝えられてないからこんなことになる」

「…たしかに翔太は言葉足らずなところが昔からあったね」

「だから姉ちゃんの勘違いなんかじゃない。翔太くんも、姉ちゃんと寄り戻したって思ってたはずだよ。だからさ、」

「蓮、ありがとう」

「…」

「でももう、いいや」

「は?何言ってんの?」

「翔太と会わなくなって約1週間。連絡もなんにもないし、都合のいい女だったんだって。夢なんだよ、全部」

「…本気なんだね、翔太くんのこと」

「っ、」

「今までその辺の人とテキトーに付き合ってたでしょ?付き合って別れてって繰り返して…姉ちゃんの人生だからなんも言わずに話だけ聞いてきたけど、やっぱり姉ちゃんには幸せになってもらいたいから言わして」


蓮は私の両肩を掴んで自分の方に向かせる。

無理矢理視線を合わせられて、強い眼差しに目が離せない。

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