Sweet Sunny! (ページ8)

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「ていうか春崎さんの弁当女子力高すぎじゃない?」

「…そう、かな?」

「お母さん?」

「ううん。自分で、作ってる」

「え!すご!」

朝が苦手なお母さんに代わって朝型人間の私が家族全員のお弁当を作っている。

「あ」

「うまっ」

水城さんが卵焼きを1つ私のお弁当から盗み食い。

「あ!凛ずる!」

「真野さんも…食べる?」

「いーの!?」

お弁当を差し出すと目をキラキラさせて卵焼きを頬張った。

「おいしーい!」

「ちょっと、康二はだめ」

私のお弁当にそっと箸を伸ばす手を制した水城さん。

「なんでやねん!」

お弁当の時間ってこんなに楽しいんだ。

私、学校でちゃんと笑えてる。

…向井くんのおかげだな。

次の日から向井くんだけじゃなく真野さんと水城さん、他のクラスメイトもあいさつをしてくれるようになった。

勉強で分からないところがあったら聞いてきてくれる人もいる。

「日誌、書き終わりました」

また日直が回ってきて阿部先生に日誌を渡しに職員室へ。

先生は日誌を受け取ってニコニコ。

「…どうか、しました?」

「春崎さん真ん中の席で正解だなぁって」

「そう、ですか」

「2学期入ってから明るくなったね」

「…向井くんのおかげです」

「きっかけをくれたのは向井かもしれないけど…ちゃんと自分の勇気とかも認めてあげてね」

「自分の勇気、」

「今の春崎さんが本当の春崎さんでしょ?周りの人を引き寄せる魅力がある」

「自分では…よく分からないです」

「自信がなくて殻に閉じこもって、向井はその殻からいつでも出られるように少しヒビを入れてくれてたの。その殻を勇気を出して破って出てきたのは春崎さん自身の力だよ」

だからもっと自分に自信もってね?と首を傾げる先生はとてもあざとかった。