Sweet Sunny! (ページ4)

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「花好きなんや」

「うん」

「この花たちは誰が育ててるん?」

「校長先生と…私」

「え!はるるも!?」

…はるる?

もしかして、私のこと?

「校長先生が育てたい花があったら植えていいよって言ってくれたの」

「はるる、どれ育ててんの?」

「…コスモス」

「綺麗に育ってるなあ」

コスモスを優しい目で見つめる向井くん。

隣に咲く黒に近いダークレッドの花に興味を示した。

「…ん?これも、コスモス…?」

「うんそうだよ」

「へえ〜。この色初めて見たわ」

「匂ってみて」

恐る恐る鼻を近づけて勢いよく私を見た。

「チョコみたいな甘い匂いがする!」

「チョコレートコスモスっていうの、その花」

「そうなん!?」

向井くんの隣で深呼吸をして私もチョコレートコスモスの香りを嗅ぐ。

「私、この匂い好きなの」

「俺も、好き」

向井くんはチョコレートコスモスを気に入ったようで何度も匂いを嗅いでいた。

「なあ、写真撮ってええ?」

「うん」

スマホを取り出して何度か写真を撮る。

近くで見るとほんと整った顔してるな。

口を尖らせて撮るのは…クセなのかな?

「そんな見られたら恥ずかしいねんけど」

「へっ!?あ、ごめっ」

チラリとこっちを見た向井くんと目が合ってびっくりして10mくらい後ずさりして距離を取った。

「そんな距離の取り方漫画くらいでしか見たことないわ」

楽しそうに笑いながら私に近づいてスマホを見せてくれる。

「ほら、よく撮れてるやろ」

「撮るの上手、だね」

「写真撮るの趣味やねん」

マイカメラも持ってるらしい。

「はるる、まだ帰らへんの?」

「そろそろ帰るよ」

「ほな帰ろ」

「…え?」

「帰る手段は?」

「電車、だけど」

「じゃあ駅まで一緒やな」

ニコニコして歩き出す向井くん。

ちょっと状況がよく分からない。

「…帰らへんの?」

「あ、帰ります。はい」