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「それや!」
「え」
「金木犀の匂いや!好きなんよこの匂い」
「ふふ、私も好き」
そう言って笑いかけると目を見開く康二くん。
そして私の足元にしゃがみこんだ。
「…なんか、私も好き、ってあかんな」
そう呟いた声は私の耳には届かなかった。
「康二くん大丈夫…?」
体調が悪いのかな?と心配になって私も康二くんの隣にしゃがみこむ。
「顔、赤いよ?熱あるの…?」
「…あるかもしらん」
「え!」
「…冗談や。某あんぱんのヒーローよりも元気やで」
「へぇ…康二…。ふぅーん?」
「意外とウブだね」
「そこ2人、黙ろうか」
「好きって…金木犀のことだよ?」
「わかってるわ、あほ」
「…?」
結局なんで2人がずっとニヤニヤしているのか、康二くんの顔が赤いのか、分からないまま朝のホームルームが始まった。
1時間目の授業の途中、凛に肩をツンツンされる。
そっちを見れば手渡される2つ折りされた1枚の紙切れ。
授業中に手紙が回ってくるのは正直密かに憧れてた。
にやけそうな顔をグッと引き締めて先生の目を盗んで紙を開く。
"今日の放課後さっき言ってた神社に連れてって"
そして下の方に"こーじ"と書かれていた。
先生が黒板の方を向いていることを確認して康二くんを見ると顔の前で手を合わせてお願いのポーズ。
自分の机に向き直り紙切れに返事を書く。
凛に渡すと紙を床で滑らせて康二くんの元に丁度届いた。
私が書いた返事は…
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年10月4日 6時